マーケット

2026.03.20 11:30

銀は14%急落、金は7%下落──原油高騰によるインフレ懸念と米国の金利据え置きが重しに

Tamer A Soliman / Shutterstock.com

Tamer A Soliman / Shutterstock.com

金と銀は米国時間3月19日午前に大幅な売りに見舞われた。金価格は約7%下落、銀は14%急落し、両金属とも下落基調が続いている。イラン攻撃に伴うインフレリスクが利下げ観測を後退させていることが背景にある。

銀先物は米東部時間19日午前9時時点で14%下落し、約66.50ドルの安値をつけた。スポット銀も12%下落している。

金価格は午前9時時点で約4550ドルと、約7%の下落となった。

金と銀の価格は2月上旬以来の低水準にあり、イラン攻撃が続く中、両金属の価格は一貫して下落してきた。

サクソバンクのコモディティ戦略責任者オーレ・ハンセンはロイターに対し、金属価格の下落について「ドル高と、直近のFOMC会合後のパウエルFRB議長によるタカ派的な発言」が要因だと語った。中央銀行が金利を据え置く中、パウエル議長がエネルギー価格高騰によるインフレ押し上げを警告したことを同氏は指摘した。

INGのアナリストらはウォール・ストリート・ジャーナルに対し、イラン攻撃に伴う原油価格の急騰とインフレ懸念が「金価格の重しになっている」と述べた。

なぜイラン攻撃は金属価格を押し上げていないのか

米国とイスラエルが約3週間前にイラン攻撃を開始して以来、金と銀の価格は一貫して下落傾向にある。これは、世界的な紛争が貴金属のような「安全資産」の価格を押し上げるという従来の常識に反している。

スクデン・ファイナンシャルのアナリストらは米国時間3月18日、原油・エネルギー価格が急騰する中、金と銀は「原油と逆相関で取引されている」と指摘。アナリストらは「地政学的な不確実性から地金は一定の下支えを得る可能性があるが、原油が主要な安全資産としての買いを吸収している限り、上値は抑制されるだろう」と述べた。

原油価格は数週間にわたり上昇を続けており、ブレント原油の指標価格は木曜早朝に急騰し、イランによるカタールのエネルギー施設への攻撃が「甚大な被害」を引き起こしたことを受け、一時119ドルの高値をつけた。エネルギーコストの上昇はインフレ懸念を煽り、パウエルFRB議長は18日、中央銀行が金利を据え置くと発言し、金属価格に下押し圧力をかけた。ドルもここ数週間で上昇しており、これも通常、金属価格と逆相関の関係にある。

金と銀の価格は前年同期比では依然として大幅に上昇しているものの、歴史的な価格上昇が止まった1月に記録した高値からは大きく下落している。今年初めのピーク時には、金価格は約5600ドルに上昇し、銀価格は120ドルを超えた。ドナルド・トランプ大統領がケビン・ウォーシュをFRB議長候補に指名すると、価格は急落した。ウォーシュ氏は利下げに消極的とみられていたためだ。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事