経済・社会

2026.03.20 08:00

ダウ・S&P500・ナスダック、年初来安値まで一時下落──インフレ懸念と原油高が市場を揺るがす

Ca-ssis / Getty Images

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米国時間3月19日の取引開始とともに、各市場指数は今年の最安値に沈んだ。予想を上回るインフレ報告と、イラン戦争を背景としたエネルギー価格の急騰がさらなる売りを招き、原油価格は同日早朝に一時120ドル近くまで上昇した。

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ダウ、S&P 500、ナスダックが一時2026年最安値に下落

3月19日の取引開始直後、ダウ工業株30種平均は270ポイント超(約0.6%)下落。ナスダックとS&P 500もそれぞれ0.9%、0.8%下落した。ただし各指数が今年これまでの最安値をつけた後、序盤の下げ幅は縮小した。

S&P 500はこの下落により、株式の長期トレンドを追跡する指標となる200日移動平均線を、2025年5月以来初めて下回った。3月18日に200日移動平均線を下回って引けたダウに続く形であり、両指数がさらなる下落トレンドに向かっていることを示唆する。

ダウ構成30銘柄の中では、ボーイング(3.4%安)が下落率トップ。シャーウィン・ウィリアムズ(1.8%安)、キャタピラー(1.6%安)、エヌビディア(1.6%安)が続いた。ハイテク株中心のナスダックでもテスラ(2.5%安)、アマゾン(1.2%安)、メタ(1%安)、アルファベット(1%安)が下落が広がった。

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国際的な原油指標である北海ブレント原油先物は、 3月19日午前時点で約111.15ドルまで上昇した。これに先立ち一時119.11ドルまで上昇しており、3月初めに119.50ドルをつけて以来の高水準に近づいた。

なぜ株価は下落しているのか?

株式市場全体での再びの急落は、3月18日に発表された米国経済の予想を下回る指標を受けたものだ。米労働統計局は2月の卸売物価数上昇率が加速したと報告した。卸売物価は前年比3.4%、1月から2月にかけて0.7%上昇し、ファクトセットによるとアナリスト予想のそれぞれ2.9%、0.3%を上回った。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)は金利を3.5%〜3.75%の範囲で据え置くことを決定したが、今後の利下げへの道筋は不透明なままだ。ジェローム・パウエルFRB議長がインフレが改善しない限り「利下げはない」と示唆したためだ。中央銀行の政策見通しを示すグラフ「ドットプロット」は、依然として2026年に1回の利下げを見込んでいる。パウエル議長は、原油高がインフレをさらに押し上げるかどうかを含め、イラン戦争の経済的影響を評価するには「時期尚早」だと述べた。

原油価格の上昇とインフレ懸念

米国とイスラエルがイランを攻撃して以降の数週間、原油価格の上昇が株式市場を混乱させている。これらの攻撃と、米国およびイラン当局者からの威嚇発言により、世界の原油供給が途絶え、米国のインフレを押し上げ長期化させるとの懸念が高まっている。

イラン軍のある当局者は原油価格が1バレル200ドルに達し得ると警告し、カタールのエネルギー相は紛争が続けば原油価格は1バレル150ドルに達する可能性があると主張した。複数のエコノミストも原油価格の上昇が景気後退をもたらすかどうかについて議論している。ムーディーズのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は、第二次世界大戦以降のすべての景気後退は、パンデミック時を除いて原油価格の急騰が先行していたと指摘した。他のアナリストは、米国経済に打撃を与えるには、原油価格が過去最高値の147ドルを大きく上回る水準で定着する必要があると述べている。

forbes.com 原文

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