イラクの首都バグダッド郊外にあるビクトリー基地(編集注:イラク戦争中の米軍の主要拠点でのちにイラクに返還されたが、現在も米国の外交施設などが置かれている)に対するFPV(一人称視点)ドローン(無人機)攻撃の様子を映した動画が、ソーシャルメディアで拡散している。動画では、ドローンがおそらく偵察のため約2分間にわたり基地内を飛び回ったあと、建物に突入している。
For the first time, an Iranian-backed militia has carried out an FPV drone attack in Iraq, an incredibly dangerous new development.
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) March 14, 2026
Seen here, the FPV munition flies around Victory Base near Baghdad International Airport before slamming into a building. pic.twitter.com/yNugU8iQVL
イランの支援を受けるイラクの民兵組織カタイブ・ヒズボラが実行を主張しているこの攻撃は、小型ドローンに対する航空基地の防御のあり方への警鐘と受け止めるべきだ。
ロケット弾や迫撃砲による航空基地への攻撃は概して射程が短く、無作為で、効果も限られる。攻撃側は目標を直接視認できず、無誘導兵器は精度が低いためだ。それに対して、FPVドローンはこの動画が示しているように、長距離を飛行し、目標を捜し出し、精密な攻撃を加えることができる。
航空基地は、燃料や弾薬の貯蔵庫、駐機中の航空機など高価値目標が数多く集まる施設だ。しかし現状では、小型のドローンに対してひどく無防備な状態に置かれている。
ウクライナの「クモの巣作戦」の教訓
小型ドローンによる攻撃に対する航空基地の脆弱性をまざまざと浮き彫りにしたのが、2025年6月のウクライナによる「クモの巣作戦」だった。ウクライナ保安庁(SBU)は、FPVドローンをトラックの隠しコンパートメントに積み込んでロシア国内に送り込み、それらは何も知らないロシア人運転手によってロシアの空軍基地5カ所の周辺まで運ばれた。
FPVクワッドコプター(回転翼4つのドローン)の「オサ(スズメバチ)」117機前後がトラックから発進した。携帯電話網を通じて接続された遠隔の操縦士と、AI(人工知能)誘導によって制御されたこれらのドローンは、駐機中のロシア軍機に急降下攻撃を加えた。SBUは、航空機40機超に命中させたと主張している。攻撃の映像からは、一部の航空機が弾薬を搭載していたことや、最大限の効果を狙ってドローンが燃料タンクを攻撃し、大きな火の玉が上がる様子が確認できる。
アナリストらは、Tu-95MS戦略爆撃機とTu-22M3爆撃機少なくとも計10機が撃破され、ほかに少なくとも20機の航空機が損傷したか撃破されたとみている。



