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2026.03.22 16:00

米富裕層に「セカンドハウス」拠点として人気、4つの都市とその理由

ユタ州ソルトレイクシティ(stock.adobe.com)

ユタ州ソルトレイクシティ(stock.adobe.com)

富裕層の住宅オーナーは、2軒目、3軒目、そして4軒目の住宅を、主な住まいの延長として位置づけるようになった。住宅の買い手も不動産投資の対象地域の見直しを進めている。新しい世代の住宅購入者は、アスペンやマイアミ、ハンプトンズといった従来の人気市場にとどまらず、より幅広い地域へと目を向ける。これは、リモートワークの柔軟性、ライフスタイル重視の価値観、有利な税制、長期的な投資価値を踏まえた変化だ。

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サザビーズの高級不動産サイトInternational Realtyの「2026年ラグジュアリー展望レポート」によると、現在では世界の高級不動産取引の28%をセカンドハウスが占めている。

グローバル不動産仲介業者The Agencyの創業者マウリシオ・ウマンスキーは、「2026年に向けて最も大きく変化したのは、どの地域で買うかだけでなく、どう活用するかだ」と指摘する。「これらの物件の買い手には、30代から40代の若い富裕層の中でも特に創業者や経営幹部、グローバルに活動する起業家が増えており、いずれも柔軟性を軸に不動産ポートフォリオを構築している。これらの住宅は、もはや一時的な避難先ではない。主な住まいとしても機能し、リモートワークの拠点にもなる。長期的なライフスタイル投資として、複数の役割を担う資産へと変わっている」。

従来の人気エリアで、価格の高騰やハイシーズンの混雑、供給不足が課題となる中、買い手はより投資効率が高く、年間を通じて住みやすく、文化的な魅力も備えた市場へとシフトしている。本稿では、このような状況下で、高級セカンドハウス市場の構図を変えつつある4つの地域を紹介する。

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ユタ州ソルトレイクシティ

ソルトレイクシティ地域は、米国でも最も成長が速い不動産市場の1つだ。その背景には、テック産業の拡大に加え、世界トップクラスのスキーリゾートであるパークシティへのアクセスの良さ、不動産価格の力強い上昇、そして年間を通じて楽しめることが挙げられる。

街の中心部からパークシティ、ヒーバーバレーなどの周辺地域に至るまで、このエリアの魅力は以前から知られているが、「ニューヨークやカリフォルニア、テキサスからの買い手や投資家の間で、その人気は高まっている」と、The Agencyの「2026年レッドペーパー」は報告している。The Agency Salt Lake Cityのマネージングパートナー、モリー・ジョーンズは、「2034年の冬季五輪を見据えて物件を購入する動きが広がっている」と指摘する。2002年の五輪時のような高い賃貸収益が期待できるためだという。

ジョーンズはレポートで、「この地域は税負担が低いため、買い手はソルトレイクシティ中心部の住宅を自宅としてだけでなく投資目的でも購入している。8年後の大きなブームを見込んでいる」と述べている。

パークシティは、この地域の需要を引き続きけん引している。同市には米国最大のパークシティ・マウンテンとディアバレー・リゾートという、2つの世界的スキーリゾートがある。かつてはアスペンやジャクソンホールの代替的な都市と見られていたこの都市は現在、旅行と不動産の両面で、米国内でも最も高価なスキーリゾート地の1つに変貌した。住宅価格が上昇しても富裕層からの需要は衰えておらず、2025年第3四半期に成立した高級物件の取引の60%以上が現金で決済されていた。

パークシティの変革の中心にあるのが、ディアバレー・イーストビレッジだ。北米で40年以上ぶりに新設された公共のアルペンスキー村で、総額約20億ドル(約3180億円)を投じて滑走可能エリアを4300エーカー超へと倍増させた。新たに10基のリフトと約100本のコースも整備されている。

パークシティ周辺では、フォーシーズンズやウォルドーフ・アストリアの名を冠したレジデンスが立ち並ぶ。スキーイン・スキーアウト型のウェルネスコミュニティ「ヴェルヴェール」、「マルセラ・ランディング」、オルソン・クンディグ設計の「ソメ・ブラン」など超高級ブティック開発も相次いでいる。リゾート級のスキー環境、充実したレストランやアートシーンを擁する徒歩圏のダウンタウン、ソルトレイク国際空港まで車で35分という利便性が、購入者を引きつける主な要因だ。

パークシティの外側に位置するヒーバーバレーにも注目が集まっている。このエリアは、山岳リゾートへの近さや完成済み住宅、5つ星レベルの設備を求めながらも、リゾート地特有の混雑や過密さを避けたい買い手に支持されている。Auberge Collectionの「ザ・ロッジ・アット・ブルースカイ」は、こうした需要に応える住宅コミュニティの開発計画を最近発表した。

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翻訳=上田裕資

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