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Prathan Chorruangsak / Shutterstock



ウーバーとリフト。配車サービスの二大巨頭である両社の競争が激化している。運営元の悩みのタネの一つが、ドライバーらがプラットフォームをまたぎ、かけもち勤務をしていることだが、リフトはドライバーらの満足度を上げることで、それを止めさせたい考えだ。

リフトは10月8日、ドライバー向けの発表会を開催した。会場には何百人ものドライバーたちが詰めかけ、いたる所から大きな歓声と拍手が上がっていた。リフトはドライバーの確保を巡り、ウーバーや他のライドシェアと熾烈な競争を繰り広げている。今回発表された様々なドライバー特典で、リフトは10万人の常勤ドライバーらが、より多くの時間をリフトで働くことを期待している。

特典の一つは、リフトの運転手であれば、ハーツレンタカーで1日単位、週単位、月単位のレンタル料金が割安になるというものだ。リフトの狙いは、多くのカジュアルドライバーを自社のドライバーとして取り込むことだ。車両をレンタルした場合は、一日最低2時間はリフトのために働き、配車リクエストの90%を承諾しなければならない取り決めになっている。

しかし、ドライバーによっては、レンタカーを使って2時間だけリフトのために働き、その後はウーバーで働くかもしれない。リフトは一体どのようにしてこうした不正を防ぐのだろうか? リフトのOliver Hsiangによると、ドライバーがリフトアプリにログインしている間は、全ての行動をトラッキングすることが可能だが、それ以外は何をしていても分からないという。しかし、ドライバーの契約違反が明らかになった場合には、ドライバーは正規のレンタカー料金を全額支払うことになるという。

ライドシェアのドライバーの間では、短期間の車両レンタルに対する需要は大きい。リフトによると、ドライバー応募者の20%は車を所有していないか、所有していても年式が古過ぎたり、2ドアだったりして資格に満たないという。規格に適合した車を所有している場合でも、SUVや高級車をレンタルすることで、より高い運賃を得ることも可能だ。Liftは現在、車種をSUVに限定してラスベガスでこの制度の試験運用を実施しており、今後は他都市にも拡大したい意向だ。

リフトやウーバーのように、個人をドライバーとして利用する場合は、競合企業で働くことを完全に禁止することはできない。しかし、制約を設けることは可能だ。例えば、ウーバーでは、ドライバーが車両をウーバーからリースする場合、他社向けには使用できないことを条件に定めている。他には、時給に報奨を上乗せし、ドライバーを効果的に囲い込む方法もある。

しかし、リフトは10月8日の発表会で、自分たちがドライバーを最優先に考える企業であるとのメッセージを伝え、他社との違いを鮮明に打ち出そうとした。
「我々は、他の誰よりも皆さんの待遇を良くしたいと考えています。我々は皆さんのことを大切に思っているのです」とZimmerは述べた。

石油会社シェルとの提携も発表された。ドライバーらはシェルのスタンドで給油するとガソリン代が大幅に安くなるというものだ。もう一つは、決済サービス会社との提携で、ドライバーが乗客から受け取った運賃を週末まで待たず、直ちに現金化できるようになる。

Zimmerは、他にもリフトにはあってウーバーには無い制度を二つ紹介した。一つは、チップ制度で、創業以来4,000万ドルものお金がドライバーに支払われているという。もう一つは、リフトの取り分の一部か全額をドライバーが取り戻すことができる仕組みだ。Zimmerは、これまでに何百万ドルもドライバーに還元していると説明した。

発表を通してZimmerが強調したのは、「リフトエコシステム」だ。ドライバーは朝起きてハーツで車をレンタルし、シェルのスタンドでガソリン代を節約し、一日の終わりにその日の運賃を現金化することができる。ドライバーにとってこの上ない状況が、リフトであれば現実になるというものだ。しかし、多くのドライバーが複数のプラットフォームをかけもちしているのが実情であり、自分の報酬を犠牲にしてまで特定の企業へ忠誠心を示すことはないだろう。

リフトは、ドライバーたちが同社で働くメリットを提供し続ける必要があり、Zimmer自身もその点は良く承知している。彼はドライバーたちに次のように述べた。「我々は、皆さんにとって最も大事なことが何か理解していいます。それはお金です」

文 = エレン・ヒュエット(Forbes)/ 編集=上田裕資

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