金利をめぐるFRB内部の意見
1月のFOMC議事要旨では、今後の金利をめぐってFRB内部で意見が割れていることが示唆されていた。当時の会合では、インフレ率が目標の2%を上回り続ければ利上げが必要になる可能性があると「数人」の理事が主張した一方で、一部の当局者は、経済指標を見極めるために金利を「当面据え置く」べきだと論じていた。「多数」の当局者は、インフレ鈍化の「明確な兆候」が見られるまで、利下げは「正当化されない可能性がある」との認識を示していた。
労働市場のさらなる悪化とインフレ率
ミシェル・ボウマン理事は1月、雇用市場に「脆弱性の兆候」があるとして、FRBはさらなる利下げに「備え続ける」べきだと述べ、「明確で持続的な」改善が見られない限り、利下げの停止を示唆すべきではないと主張した。
労働統計局が発表した2月の雇用統計では、労働市場のさらなる悪化が確認されている。非農業部門の雇用者数は9万2000人減少し、失業率は4.4%に上昇した。1月の12万6000人増から急激に悪化した形だ。雇用情勢が弱まる一方で、インフレ率はFRBの目標である2%を上回り続けており、利下げに反対する議論を強める可能性がある。FRBが重視するインフレ指標であるコア個人消費支出(PCE)物価指数は、1月に前年同月比で3.1%の上昇となり、市場予想を上回った。労働統計局が18日に発表した2月の卸売物価指数(PPI)も、前年同月比3.4%の上昇、前月比では0.7%の上昇となり、市場予想の2.9%と0.3%をそれぞれ大幅に上回った。
原油価格の上昇と景気後退に関する傾向
イラン攻撃によって原油価格は3月初めに1バレル120ドルに迫る場面もあった。こうした原油価格の急騰により、インフレ率がFRBの目標である2%を大きく上回る水準で高止まりするとの懸念が高まっている。イラン当局者は、攻撃が続けば1バレル200ドルに達する可能性があると警告し、カタールのエネルギー相は150ドルに達する可能性を述べた。ゴールドマン・サックスのアナリストは、世界の石油の約20%が通過するホルムズ海峡での輸送妨害が続けば、原油価格は2008年(147ドル)や2022年(139ドル)のピークを上回り、過去最高値を更新する可能性があると予測している。
FRBは2001年、米経済の回復力が高まった近年においても、原油価格の上昇はほとんどの景気後退(2四半期連続のマイナス経済成長)の予兆となる傾向があると警告した。
ムーディーズのチーフエコノミスト、マーク・ザンディも今週初め、そうしたFRBの警告に同調し、景気後退は「再び深刻な脅威となっている」と述べた。同社は、今後12カ月以内に景気後退が始まる確率を49%としている。


