2026.03.24 18:45

技術屋から日本人初の外資F1チーム代表へ。小松礼雄の言う「まず結果」の意味

小松礼雄|TGR Haas F1 Team, チームプリンシパル

2024年シーズンが始まると、2戦目でポイント獲得、3戦目では2台が揃って入賞と、早々に結果を残している。わずか数カ月の間に、どのような変革が行われたのだろうか。

advertisement

「すごく単純で、コミュニケーションですね。チームワーク。クルマを走らせる側からは、改善すべき点がいろいろと出てくる。けれども、それが反映されていないクルマがレースに出ていたということは、コミュニケーションがブレイクダウンしているわけです。僕はここでおかしなことが起きているとわかっていたけれど、当時、エンジニアリング・ディレクターという立場だとできることに限界がありました。でも、代表になったわけだから、密なコミュニケーションを図って透明性の高い組織にすることに努めました」

透明性の高い組織にするために、小松は「2人だけ首を切りました」と振り返る。

「僕が代表になる時に、オーナーのジーンにこのチームには有能な人材がたくさんいると伝えました。だから240人のスタッフのうち、2人だけ代えさせてくれ、と。本当はもっと大きな変化が必要だったけれど、それをやるとうちみたいな小さな組織はばらばらになってしまう。だからすぐに変えなければいけない最小限の変化に留めました。具体的には、テクニカルとオペレーショナルにわけて、オペレーショナルには一切手をつけませんでした。テクニカルのほうは、新しいテクニカルダイレクターを招聘して、その下にパフォーマンスダイレクターという新しい役職を作って配置しました」

advertisement

ここで小松は、「こうしてイタリアとイギリスが話をしなければならない組織に変えました」と続けた。けれど、ここは少し説明が必要だろう。本人に補足してもらった。

「ハースのオーナーはアメリカ人なので、ヘッドクオーターはアメリカにあって、人事やファイナンスの一番上の部門もアメリカです。車体がダラーラ、エンジンや空力デザインがフェラーリなので、クルマを作る部門はイタリアで、レースエンジニアや解析担当などレースチームはイギリスで仕事をしています。ものすごく単純化すると、イタリアがクルマを作る場所で、イギリスがクルマを走らせるユーザーという図式になります。ここでイタリアとイギリスのコミュニケーションを密にすることで、シーズン中に車両開発が進まないというハースの弱点を改善しました」

世界に広がる組織の課題を、代表としてシームレスにつなぐことが重要だった。

次ページ > みんながここで全力を尽くして働きたいと思えるようなチームでないと駄目

文=サトータケシ 写真=苅部太郎(インタビュー人物)

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事