マーカス・スクワイアー氏は、米国の農村地域に特化したマーケティングエージェンシーPaulsenのCEOである。
事業や組織をどれほど適切に運営していても、いずれどこかの時点で、周到に練られた危機対応コミュニケーション計画を要する危機に直面することになる。想像に難くないだろうが、自社のソーシャルメディアアカウントは、この計画を実行し、ターゲットオーディエンスとつながるうえで重要な役割を果たす。
では、危機そのものがオンライン空間で発生した場合はどうすればよいのか。いわば「デジタルの町の広場」における紛争対応について、重要なポイントをいくつか共有したい。
ソーシャルメディア危機にいつ対応すべきかを見極める
私たちは農産物団体、電力協同組合、そして農業・エネルギー・農村ライフスタイル分野の営利企業と協働してきた経験から、効果的なコミュニケーションには「傾聴」が鍵であることを学んできた。まずはコミュニケーションチームのメンバーに、ソーシャルリスニングツールを使ったオンライン活動のモニタリングを担当させることから始めるとよい。自社チャネルに寄せられるコメントを把握するだけでなく、他の場所で人々が何を言っているかにも耳を傾けることを忘れてはならない。
状況を把握したうえで、「いつ」対応するかを見極めることは、対応として「何を」言うかと同じくらい重要になる場合がある。組織外の人物による単発のコメントは対応に値しないかもしれないが、多数のステークホルダーが誤情報を拡散している場合は全力で対処すべきである。事前に計画を策定しておくことで、オンライン上の議論を冷静に評価できるようになる。
組織として対応すべきトリガーには以下のようなものがある。
・量:投稿に対して否定的に反応している人の数
・継続:否定的な投稿がオンライン上の会話に残り続ける時間
・拡散:投稿が小さな集団内にとどまっているのか、それとも他のソーシャルメディアやニュースメディア、口コミで広がっているのか
・正確性:危機が事実に基づいているか、それとも訂正が必要な誤った情報に基づいているか
事実に基づき、適切な対応を決める
ソーシャルメディアでの反発に対処すると決めた場合、常に事実に徹することが重要である。ソーシャルメディアでは誤った情報がいとも容易く広まりがちなため、ターゲットオーディエンス、そしてターゲットオーディエンスと接触する可能性のあるすべての人々に、迅速かつ正確な情報を提供し、人々を誤情報から遠ざけるよう努めるべきだ。例えば、ステークホルダーが協同組合の年次総会での決定に不満を持っている場合は、それが民主的なプロセスであり、組合員の過半数の賛成を得た決定であることを穏やかに説明できる。
時としてソーシャルメディア危機は、組織の確立されたブランドイメージと矛盾する投稿から生じることがある。タイミングが悪かったジョークや、受け手に誤解されたジョークかもしれない。トーンやアプローチの明らかな変化かもしれない。このような場合は、何が起きたかを認め、ミスや誤解について謝罪し、そのうえで組織の価値観を改めて表明することが重要である。その価値観を明確に述べ、自らの言葉が真実であることを証明する実績を示すのだ。
オンライン上でコントロールできることには限界があり、荒らしのような行為は無視すべき場合もあることを忘れてはならない。また、危機に対処する必要がある場合は、個別にアプローチするという選択肢もある。不満を抱くステークホルダーが特定できる人物であれば、状況を説明するための面談を求めることは十分に合理的だ。人々がオンラインで怒りのコメントを投稿するのは、話を聞いてほしいからであることが多い。適切な場合に、適切な場とタイミングで個別面談を提案することは、その目的を達成するうえで大いに役立つ。
冷静さを保ち、前に進む
ソーシャルメディア危機が発生した際は、これもいずれ過ぎ去ることを忘れないでほしい。私たちはメディアサイクルの速い時代に生きており、人々の関心は次から次へと話題を移していく。時間をかけて傾聴し、いつ、どのように対応するかを評価し、常に事実と有益な情報をもって対応することで、オンライン上で強力かつ効果的なプレゼンスを維持できるのである。



