WOMEN

2026.03.30 14:30

女性が当たり前に活躍できる金融業界へ:野村證券副社長 鳥海智絵

鳥海智絵|野村證券 代表取締役副社長

女性管理職は33倍に

21年4月からサステナビリティ推進を担当し社内でダイバーシティ&インクルージョンを推進してきた鳥海は、23年に野村證券代表取締役副社長に就任した。25年5月にスタートした野村證券の「次世代育成支援対策推進法および女性活躍推進法に基づく行動計画」では、27年4月30日を期日に「育児休業等の取得率を、性別によらず100%にする」「年次有給休暇の平均取得率を70%以上にする」「ジェンダーギャップを解消し、意思決定層における多様性を高める」と定めた。ほかにも多様性を確保する様々な研修やセミナーの開催、メンタリングなど多くの施策を取り入れている。

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こうした取り組みの成果もあり、鳥海がはじめて管理職になった約25年前にわずか20人程度だった女性管理職は、今や管理職全体の2割を超える673人(25年4月時点)となり、実に33倍以上の増加となった。だが、鳥海は、数という“目に見える壁”が取り払われた今だからこそ、人々の心に潜む“見えない壁”が、より一層際立って見えてきたのだと語る。

「私自身、これまでのキャリアで、自分を『理想の総合職像』や『かくあるべきリーダー像』に、ある程度“同化”させて生き残ってきた部分はあると思っています。活躍するためには、それは必要だった。でも、前提条件が変わった今、次の女性活躍は、単に女性を登用することではなく、性別にかかわらず多様な人材が活躍するフェーズに行かなければいけない」

鍵を握るのが「アンコンシャスバイアス」の気づきだ。例えば、男性が女性リーダーに「男性と同じようにできるのか」と感じてしまうバイアスや、女性自身が「男性のようにやらなければ」と思い込んでしまうバイアス。そして、女性が同性のリーダーを見て「男性より頼りがいがない」と思ってしまうバイアスの存在もある。

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野村證券では、管理職を対象に男女問わずアンコンシャスバイアス研修を導入し、「気づき」の機会を組織的に提供している。「バイアスは簡単には解決しません。でも、まずは男女共に『これってバイアスかな』と気づくこと。無意識のバイアスを、意識できるように変える。そこからしか始まらないと思っています」。

WOMEN AWARD2025|ブレイクスルー賞
アンコンシャスバイアスに挑み、多様性ある職場環境の形成に寄与した女性に贈られる賞

 


とりうみ・ちえ◎野村證券に女性総合職2期生として入社し、2005年に女性で初めて野村ホールディングス社長秘書に抜てきされる。14年には野村信託銀行代表執行役社長に就任し、邦銀(信託銀行を含む)では初の女性トップに。23年から現職。

文=堤 美佳子 写真=若原瑞昌

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