経営・戦略

2026.03.19 07:30

アマゾンが米郵政公社への配送委託を大幅削減へ、郵便減少による苦戦に拍車

Jeffrey Greenberg/Universal Images Group via Getty Images

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ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、アマゾンは米郵政公社(USPS)を通じて配送する荷物の量を大幅に削減する計画だ。これは、経営難に陥る政府機関のUSPSとの契約が今秋に期限を迎えるのに合わせた動きだ。

WSJによれば、アマゾンはUSPSに委託する荷物数を3分の2削減する計画だという。アマゾンは配送工程の最終段階にあたるUSPSの「ラストワンマイル配送」サービスの入札過程でこの計画を公表した。

2025年を通してUSPSが全米で配送した荷物の約15%がアマゾンからのものだった。

USPSとアマゾンの契約は2026年10月に期限を迎える。なお、この契約はUSPSに年間60億ドル(約9500億円)の収益をもたらしているとの報道がある。

アマゾンによるラストワンマイル配送の入札が却下された場合、アマゾンは他の配送業者への切り替え、自社配送網へのさらなる投資、あるいは入札額の引き上げを検討する可能性がある。

政府からの直接的な財政支援を受けない独立した政府機関であるUSPSは、2024年に95億ドル(約1兆5100億円)の損失を計上した後、2025年にも90億ドル(約1兆4310億円)の損失を出した。USPSは前年から損失額が減少した背景について、営業収益の増加、輸送費の削減、および労災補償費用の減少が背景にあるとしている。

USPS総裁兼CEOのデビッド・スタイナーは米国時間3月17日、議員らに対し、「近年と同じ方法で義務の支払いを続ければ」、USPSは来年内にも資金が底をつく可能性があると述べた

ピツニーボウズが発表する『Parcel Shipping Index(荷物配送指数)』によると、2025年に67億個の荷物を配送したアマゾンは、配送量ですでにUPSやフェデックスを上回っている。アマゾンの配送量は2028年までには84億個に達するとされ、USPSの配送量をも超える勢いだ。USPSのラストワンマイル配送は、アマゾンが特に地方や遠隔地の顧客へ荷物を届けるために極めて重要なサービスである。サプライチェーン・マネジメント協会によれば、ラストワンマイル配送は一般的に配送プロセスの中で最もコストがかかる部分であり、総コストの最大52%を占めることもある

USPSのスタイナーは、現在の借り入れ上限である150億ドル(約2兆3800億円)を引き上げるよう議会に求めている。非営利研究機関のブルッキングス研究所によれば、法的独占権によって守られた郵便事業に依存するUSPSのビジネスモデルは、郵便利用の減少により崩壊しつつある。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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