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2026.03.18 13:00

カナダ人富豪のスティーブン・スミス、エコノミスト誌の株式約27%を取得

Sheldon Cooper/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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カナダ住宅ローン業界の億万長者、スティーブン・スミスの持ち株会社が、エコノミスト誌の一部株式を取得した。これにより、主要メディアを保有する新たなビリオネアが誕生した。同誌の所有権が変更されるのは、過去10年以上で初めてのことだ。

スミスのファミリー・オフィスであるスミス・フィナンシャルは、リン・フォレスター・デ・ロスチャイルドの持ち分を買い取り、エコノミスト・グループの株式26.9%を取得する。

ロスチャイルド家は2025年10月、一族の保有資産を売却するため、金融アドバイザリー企業のラザードを起用していた。こうした資産にはエコノミストの議決権約20%に相当する株式などが含まれる。

エコノミスト誌の他の株主には、セインズベリー家、キャドバリー家、シュローダー家のほか、イタリア名門のアニェッリ家や同誌の一部スタッフが含まれる。

最後にエコノミスト誌の所有権が変更されたのは、メディア企業のピアソンが50%の株式を売却した2015年のことだった。

推定資産額は69億ドル(約1兆1000億円)のスティーブン・スミスは、世界で565番目の富豪とされている。彼は、自己破産を宣言してからわずか4年後の1988年、住宅ローン貸付大手のファースト・ナショナル・フィナンシャルを共同設立し、2025年には自身の持ち分37.4%のうち、約3分の2を売却している。また、スミスはカナダ・ギャランティ・モーゲージ・インシュアランスを一部所有しており、2023年には融資大手のホーム・トラストを買収した。2025年には同社とフェアストーン・バンク・オブ・カナダを合併させている。

主要な報道機関をビリオネアが所有することについては、富の集中が、編集の優先順位や編集部の独立性、さらには公衆の信頼に影響を及ぼしかねないとの批判に長くさらされてきた。

ワシントン・ポストのオーナーであるジェフ・ベゾスは、人員削減(2月に350人のジャーナリストが解雇された)や、同紙の方向性について激しい批判を受けている。

報道によれば、ワシントン・ポストは先の大統領選でカマラ・ハリスへの支持表明を見送ったことで、20万人以上の購読者を失った。また、ベゾスがトランプ大統領の就任式にテクノロジー企業の幹部らと共に出席したことも、読者やスタッフからのさらなる批判を招いた。

現在、米国で最も影響力のあるメディアのうち7つ以上が、ビリオネアによって所有、あるいは一部所有されている。

ローレン・パウエル・ジョブズ(アトランティック誌)

ミリアム・アデルソンとその家族(ラスベガス・レビュー・ジャーナル)

・マーク・ベニオフ(タイム誌)

マイケル・ブルームバーグ(ブルームバーグ)

・ジェフ・ベゾス(ワシントン・ポスト)

・ルパート・マードック(FOXニュースやウォール・ストリート・ジャーナルの親会社ニューズ・コープ)

・ジョン・ヘンリー(ボストン・グローブ)

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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