ウクライナの対ドローン技術への需要が急速に高まっている。大規模なドローン戦を何年も経験してきたウクライナは、イランで開発された「シャヘド」のような安価な片道攻撃ドローン(無人機)を阻止するシステムの開発で、世界有数の経験を持つ国になった。現在、ウクライナの戦線から遠く離れた国々が、その専門知識を活用したがっている。
ドローン自体に関心が集まりやすいが、より大きな価値があるのはむしろ、ウクライナがドローンを中心に構築してきた広範なシステム全体かもしれない。具体的に言えば、探知ネットワーク、指揮統制ソフトウェア、低コストの迎撃手段、そして絶え間ない攻撃下でこれらを運用してきた操縦士らの戦場経験だ。
湾岸諸国がウクライナの防衛技術を求める理由
ウクライナメディアのキーウ・インディペンデントは3月10日、湾岸諸国がイランによるドローン攻撃に対するより優れた防御方法を模索するなか、サウジアラビアはウクライナと大規模な武器取引に向けた交渉を進めていると報じた。その緊急性は火を見るより明らかだ。湾岸諸国はドローン攻撃の脅威に繰り返し見舞われる一方、高価な迎撃ミサイルの在庫の減少に懸念を募らせている。
ウクライナはハードウェア(装備)の輸出にとどまらず、関連するノウハウの供与にも乗り出している。英BBC放送は3月11日、イランのドローン脅威への対処を支援するため、ウクライナの軍事専門家がカタール、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアに派遣されたと報じた。外国からの関心が兵器そのもの以外にも広がっていることを示す動きだ。
ウクライナはドローン攻撃の発見や追跡、予測のために、レーダーや音響探知装置、指揮システムからなる比較的低コストなネットワークを整備してきた。ウクライナ向けの国際的な防衛技術支援団体「ディフェンス・テック・フォー・ユークレイン」の共同創設者で、ウクライナの外国人部隊(インターナショナル・リージョン)で戦った経験も持つカール・ラーソンは筆者の取材に、この広範な探知・調整アーキテクチャーは湾岸諸国にとって、迎撃ドローンと同じくらい価値があるものかもしれないと述べた。



