防空システムとしての経済性も魅力のひとつだ。中東の防空網の多くはパトリオット地対空ミサイルのような高価な迎撃弾に依存しており、1発あたり数百万ドルかかることもある。シャヘドによる攻撃に繰り返しさらされてきたウクライナは、群れで飛来するドローンに対処するため、迎撃ドローンをはじめとするより安価な対抗手段の開発・導入に駆り立てられてきた。
英国の地政学リスク専門コンサルティング会社、セントジェームズ・フォーリンポリシーのアリョーナ・フリウコ最高経営責任者(CEO)は筆者の取材に、迎撃ドローンが注目を集めているのは、従来の防空システムよりも格段に低いコストで大量のドローン攻撃を撃退できる可能性があるからだと述べた。
これは重要な点である。なぜなら防御側は往々にして、撃墜しようとするドローンよりもはるかに高価な迎撃手段に頼らざるを得ず、コスト面で不利な立場に置かれがちだからだ。ウクライナ向けの別の技術支援団体「テクノロジー・ユナイテッド・フォー・ユークレイン」のエンジニア、ハイナー・フィリップは「解決策は釣り合いのとれたものでなければなりません」と筆者に強調した。「1機1万ドル(約160万円)のおとり機を1発200万〜500万ドル(約3億2000万〜8億円)もするミサイルで撃ち落としているようでは、戦争に負けてしまうのです」
戦場のニーズから輸出のチャンスへ
イランのドローンは結果的にウクライナの能力の宣伝に一役買っているとも言える。「イランはウクライナのドローン技術の販促キャンペーンをしているようなものです」とPRアーミーのサウチュークは言う。「イランがドローンを広範に使用した結果、対ドローンシステムがいかに重要なものか実際にわかったからです」
ウクライナの問題は、国が依然として戦争状態にあるなかで輸出向けの需要が高まっていることだ。ウクライナ政府は2月、戦時下で初めて、国内の兵器メーカーに国外販売を認めるライセンスを付与した。これは重要な一歩になったものの、輸出制度はまだ発展途上なのが実情だ。


