米メディア、アクシオスの3月10日の報道によると、ウクライナ当局は昨年、低コストの迎撃ドローンや中東に「ドローン戦闘拠点」を設ける構想など、戦場で実証された対シャヘド技術に米国の関心を引こうとしたという。米欧州陸軍の司令官を務めたベン・ホッジス中将(退役)は筆者の取材に答え、西側諸国がウクライナからもっと速く学べていないのはより広範な問題を反映していると指摘した。「米国は組織的な慢心に陥っています。われわれは自分たちがいちばんよく知っていると思い込んでいるのです」とホッジスは苦言を呈し、「われわれは本来はウクライナから直接学ぶべきなのです」と続けた。
低コストと戦闘経験に強み
ウクライナの最大の強みのひとつはコストにある。ウクライナのドローン産業は、西側の多くの防衛企業よりも格段に低コストでシステムを生産できるのだ。ウクライナの非営利組織PRアーミーのアドボカシーマネジャー、マルク・サウチュークによれば、たとえばウクライナは長距離攻撃ドローンを20万ドル(約3200万円)程度で生産できるという。それに対して「西側の防衛企業が手がける同等のシステムは500万〜1000万ドル(約8億〜16億円)かかる可能性があります」(サウチューク)。
サウチュークは、ウクライナの優位性は「価格、規模、戦場で実証された品質」にあると説明する。また、ウクライナのシステムは設計から改良、実戦配備までが数カ月で行われる場合が多いのに対して、西側メーカーの場合、従来型の開発・調達サイクルを経るのに数年を要するかもしれない。
ウクライナの軍事メディア、ディフェンス・エクスプレスが2025年9月に伝えたところでは、ウクライナのドローンメーカーであるワイルド・ホーネッツは自社の迎撃ドローン「スティング」について、操縦士の経験やレーダーの設定によって差はあるものの、シャヘド型攻撃ドローンやおとり(デコイ)ドローンの「ゲルベラ」に対しておよそ60〜90%の有効率を達成していると説明している。同社によれば、スティングのコストは1機あたりわずか2000ドル(約32万円)強だという。
ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は今年3月、フェイスブックへの投稿で、2月に首都キーウやその周辺で撃破されたシャヘドのうち7割超が迎撃ドローンによるものだったと明らかにした。こうした戦果に外国の買い手も注目している。


