数年前のある朝、私はベッドから起き上がることさえままならなかった。
新しいプロジェクトの立ち上げで、何カ月も休みなく12時間労働を続けていた。疲れ切り、些細なことで苛立ち、普段なら好きなはずの仕事が憂うつになっていった。それでも自分には濃いコーヒーと前向きな気持ちさえあればいいのだと言い聞かせた。実際には、私はバーンアウトの初期警告サインを示していたのに、それを認めようとしなかったのだ。
そう感じることがあったとしても、バーンアウトがいきなり襲ってくることはほとんどない。何かが深刻に不均衡になっているという微細なサインを通じて、静かに積み上がっていく。
リーダーやプロフェッショナルが見落としがちなバーンアウトの主要因のひとつが「目的の欠如」である。自分の中核となる価値観や関心と合致しないことに長く取り組み続けると、どれだけ時間を投じても、動機やエネルギーは枯れていく。心理学ではこれを「ミスアラインメント・バーンアウト(misalignment burnout)」と呼ぶ。
終わりではない
良いニュースもある。バーンアウトは転機になり得るのだ。
バーンアウトは、キャリアのダッシュボードに点滅する赤い警告灯だと捉えてほしい。つまり、何か根本的なものを変える必要があるという合図である。ライフスタイル医学の医師であるスニル・クマール博士は、バーンアウトは個人の失敗ではない、何か根本的な変更が必要だというシグナルだと書いている。
『Burnout: The Secret to Unlocking the Stress Cycle』の著者たちも、人気のTEDトークでこう説明している。バーンアウトの治療は、ヨガを増やしたりスパに行ったりといった単純な話ではない。根本原因に向き合い、意味や支えとのつながりを取り戻すことが必要なのだ。
私自身、壁にぶつかったことで、スケジュール、優先順位、そして何より目的を見直すために、強制的に立ち止まらざるを得なくなった。目的の方向性を修正し、そもそも自分を突き動かしていた価値観と動機に再接続し、それを尊重するかたちに仕事を調整しなければならないと気づいた。
私が取ったステップ
バーンアウトを早期に察知したとき、目的をどう立て直せばよいのか。
まず、自分の「なぜ」に立ち返ることだ。仕事の中で本当に意味があると感じるのは何か、どんな価値観や目標を置き去りにしてきたのかを自問する。私がこの作業をしたとき、創造性と他者支援こそが自分を最も駆り立てる要素であり、その2つを後回しにしていたとわかった。
そこで変化を起こした。自分でやる必要のないタスクは委任し、スケジュールを組み替えて、活力が湧く仕事(メンタリングや戦略など)により多くの時間を割き、夜遅くまでの雑務に費やす時間を減らした。さらに、事業の方向性も、よりミッションに沿ったプロジェクトへと少しずつ寄せていった。少しずつ目的意識が再点火し、それとともにレジリエンスも戻ってきた。
仕事以外の情熱も取り戻した。バーンアウトは、仕事に全振りするあまり私生活が押し出されることから生じることが多い。私は意識的に、放置していた趣味を復活させ、家族のための時間を確保した。最も重要なのは、これらを優先事項にしたことだ。そうした個人的な喜びはバーンアウトに対する緩衝材となり、人生にはスプレッドシートや売上報告書の外にも意味があることを思い出させてくれた。
周囲の声に耳を澄ませる
バーンアウトの初期サインに気づいたなら、行動してほしい。進路を変えるのに遅すぎることはない。バーンアウトは、何かを変える必要があると告げている。そして、その変化は、完全に崩れ落ちてから強いられるのではなく、今この瞬間から始められる。警告を受け止め、目的を立て直せば、バーンアウトを崩壊ではなく突破へと変えられる。
とはいえ、抵抗を感じる人がいることも理解している。
誰かに「ペースを落とせ」「よく考えろ」と言われると、相手は何もわかっていないと感じるかもしれない。頭の中ではやることが山積みで、無謀なのではなく、決断しているのだと考えている。目的を持って動いているのだ、と。
しかし問題がある。情熱は良いものになり得る一方で、不健全な強度が長く続けば、隠れたリスクも抱え込む。自分の盲点を点検する時間を一度も取らなければ、重要な何かを見落とすかもしれない。そしてそれは、手遅れになるまで問題として表面化しない。
だから、両端からロウソクを燃やすように働いているリーダーがいたとしても、私は「やめろ」とは言わない。ただ、慎重になり、人生の棚卸しをするよう促したい。エネルギーのたった1%でもいい。視界の端に目をやる程度で構わない。そのわずかな余力が、将来の痛みからあなたを救うかもしれない。
事業の基本的な健康診断をしてほしい。必要最小限でいい。法的な枠組みは堅牢か。知的資産は保護されているか。帳簿は健全か。
振り返ると、私を苦しめたものの大半は、無能ではなく無知から来ていた。自分が知らないことを、知らなかったのだ。
内なる火は燃やし続け、始めたことを築き続ければいい。ただ、周囲の声、とりわけ自分の前提を揺さぶる声に耳を傾けることを忘れないでほしい。彼らはあなたの足を引っ張ろうとしているのではない。あなたを守ろうとしているのかもしれない。そしていつか、嵐が過ぎ去ったとき、あなたは彼らの声を聞いてよかったと思うはずだ。



