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2026.03.22 17:00

【30UNDER30は今】スタバ創業者が認めた33歳の起業家、食料品の宅配で売上800億円規模に

2022年10月3日、「2022年フォーブス30アンダー30サミット」に出席したMisfits Market 創業者兼CEOのアビ・ラメシュ(Photo by Taylor Hill/Getty Images)

スターバックス創業者が稀有と評するラメシュが、起業へと至った経緯

Misfitsの創業初期から助言を行ってきたスターバックスのビリオネア創業者ハワード・シュルツは、ラメシュについて「現場を回せるオペレーターとしての能力と、テクノロジーに精通した若い経営者としての資質、そして商売人としての目利きを兼ね備えた稀有な人物だ」と評価する。

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「彼は必ず成功するタイプの人間だ。Misfitsが数十億ドル規模の業界のリーダーになることに疑いはない」とシュルツは語る。

資産運用会社時代に食品廃棄の現実を知り、農業事業者への聞き取りを開始

インドのチェンナイで生まれたラメシュは、生後6カ月でソフトウェアエンジニアの両親とともに故郷を離れ、バーレーンに移り住んだ。その2年後にはドバイへ、米ミズーリ州セントルイス、そして最終的にアトランタへと移り住んだ。ペンシルベニア大学ウォートン校で学んだラメシュは、資産運用会社アポロ・グローバル・マネジメントに入社した。同社でアナリストを務めた彼は、担当企業の1つが低温物流(コールドチェーン)関連だった。そこで配送トラックが数時間遅れるだけで注文がキャンセルされ、食品が廃棄される現実を知った。

アポロを離れ友人2人とプログラミング教育事業を立ち上げた後も、ラメシュは「食品業界の非効率さを改善したい」という思いを持ち続けた。彼は、この問題の実態を理解するため、数カ月にわたり農業事業者への聞き取りを重ね、食品の廃棄がいかに広範で深刻な問題であるかを調べた。

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2018年、規格外農産物の詰め合わせボックスを自宅アパートで販売

2018年、ラメシュは「とりあえず引き取ってみる」という形で、農業事業者から規格外の農産物を引き取り始めた。フィラデルフィアの自宅アパートに、廃棄されるはずだったリンゴや形の不ぞろいな農産物の箱を溜め込んだ彼は、それらを試験的に中身が分からない詰め合わせボックスとして販売することを思いついた。

ウェブサイトを自ら構築したラメシュは、フェイスブックの広告枠を購入して、「見た目は悪いが品質に問題のない農産物をスーパーより30〜40%安く販売する」と告知した。するとサイト公開から10日で、500件の予約注文が入った。自宅に積み上がった農産物を出荷するため冷蔵設備のない倉庫を借りた彼は、コストコで業務用の大型冷蔵庫を2台購入した。その過程で、クレジットカードの利用枠を使い切った。

投資家から約26億円を調達、フォーブス『30 Under 30』に選ばれるほど事業が成長

ラメシュの事業は、すぐに投資家の関心を引きつけた。「規格外の農産物という切り口のおかげで、仕入れコストを低減できた。そのコスト効率の高さが、そのまま財務面の強さにつながっていた」と彼は振り返る。2019年には、サンフランシスコのGreenoaks Capital Partnersなどの投資家が1650万ドル(約26億円)を出資した。その年の終わりにラメシュがフォーブス『Forbes 30 Under 30』に選ばれる頃には、Misfitsはすでに廃棄されるはずだった約4500トンを超える食品を救っていた。

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翻訳=上田裕資

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