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2026.03.31 16:00

現役メカニックが語る整備士の矜持──Ferrari Tech Talent座談会レポート

フェラーリの整備士は、どんな毎日を過ごしているのか。どうすればなれるのか。若年層向け整備士育成プログラム「Ferrari Tech Talent」では、現役メカニックとの座談会が行われた。普段は聞けない現場のリアルに、参加者たちの目が輝いた。


11月下旬、フェラーリの正規ディーラーであるコーンズとニコル・コンペティツィオーネで、整備士育成プログラム「Ferrari Tech Talent」が開催された。15歳から25歳を対象にウェブで公募したところ、580名を超える応募があり、選考を経た約30名が参加した。

プログラムは、フェラーリの歴史とブランドDNAに関する講義から始まり、サービス工場の見学、点検やテスター操作のデモンストレーションへと続く。そして後半、参加者たちが最も待ち望んでいた時間がやってきた。現役メカニックとの座談会だ。

「買って良かった工具は?」

3人のメカニックが前に並ぶと、司会が参加者に呼びかけた。

「気になることがあれば、何でも聞いてください」

最初はおずおずと質問をしていた学生たち。やがて積極的な質問が飛び始める。
最初はおずおずと質問をしていた学生たち。やがて積極的な質問が飛び始める。

最初に手が挙がった。

「買って良かった工具ってありますか?」

フェラーリを整備するプロは、どんな道具を使っているのか。きっと参考になるはず。そんな思いが伝わってくる質問だった。若手メカニックが即答する。

「スナップオンですね。最初に触ったのがフェラーリの研修のときで、先輩が使っているのを見て欲しくなって。4分の1サイズが手に馴染むんです」

スナップオン。整備士なら誰もが知る、アメリカ発の高級工具ブランドだ。やっぱりそういうものを使うんだ、という納得と、自分もいつかはそんな工具を手にして働きたいという憧れ。そんな空気が会場に広がった。

「週休ってどれくらいですか?」という質問には、「週休2日で、年間120日くらい。普通の会社と同じですよ」という答え。高級車ディーラーの整備士というと激務のイメージがあるのか、意外そうな顔をする参加者もいた。

3者3様の経験をもつメカニックが、さまざまな角度でエピソードを披露した。
3者3様の経験をもつメカニックが、さまざまな角度でエピソードを披露した。

「入社したばかりの頃って、毎日何をするんですか?」

この質問に、ベテランのメカニックが少し考えてから答えた。「まず、先輩のサポートから始めます」。彼は言葉を選びながら続ける。整備士の免許を取ったから一人前だって、自分も最初は思っていた。何でもできるって。でも実際は、ネジの締め方一つとってもプロフェッショナルではなかった。機械の使い方、部品の掃除の仕方、車の扱い方。そのすべてを、先輩のサポートを通して叩き込まれる。みんなそうやって、周りから認めてもらえるメカニックに成長していくんです、と。

会場が静まる。思わぬ率直さだった。場の雰囲気を和らげるように、別のメカニックが明るい声で補足した。

「どんな仕事でも同じだと思うんですけど、先輩にもいろんなタイプがいるんで、最初はそれを見極めるのも大事ですね。洞察力というか、周りが見えるようになっていくといい」

参加者たちはメモを取りながら聞いている。スマートフォンで打ち込む者もいれば、紙に書いている者もいる。

「今のうちにやっておいた方がいいことってありますか?」という質問には、意外な答えが返ってきた。

「ちゃんと勉強すること、あとメモを取る癖ですね。ケータイでもいいんですけど、紙で手で書いた方が覚える。自分は今でも手で書いて覚えてます」

顔を上げる参加者たち。デジタルネイティブの彼らにとって、それは新鮮な助言だったのかもしれない。

嬉しい瞬間、嫌な瞬間

「整備士をやっていて、一番嬉しかったことは何ですか?」

「エンジンをバラバラにして、組み直して、ちゃんとかかった時ですね。調子いいなって思う瞬間が一番嬉しい」

「お客さまから『ありがとう』って言ってもらえた時も嬉しいです。直接ではなく、アドバイザーさん経由で聞くことが多いんですが、調子良くなったと言ってましたよ、とか」

プロのメカニックとしての喜びや、失敗の経験。次世代の整備士たちへ惜しみなくシェアする、有意義なトークセッションとなった。
プロのメカニックとしての喜びや、失敗の経験。次世代の整備士たちへ惜しみなくシェアする、有意義なトークセッションとなった。

「じゃあ逆に、嫌だったことは?」

「物を壊しちゃった時ですね。ボルトを折っちゃった時とか。やべぇ、どうやって抜こうかなって」

会場に笑いが起きる。プロでもそういうことがあるのだと知って、少しホッとした表情の参加者もいた。

数千万円のフェラーリを預かるということ

「車を整備する上で、一番心がけていることは何ですか?」

「絶対に傷をつけないこと。壊さないこと。扱うのは数千万円するフェラーリです。しかもお客さまのクルマ。だから養生をいっぱいします」

もう一人のメカニックが続ける。

「他の人から見て恥ずかしくない仕事をする、ということですね。手の跡とか、オイルが飛び散った跡とか、そういうのをきれいにする。他のディーラーさんが整備した車が入ってくることもあるんですけど、それを見て感じることもある。だから自分が関わった車は、誰に見られても恥ずかしくないようにしたいんです」

車を整備する上で一番心がけていることは何か。この質問への答えは、フェラーリという仕事場の特殊性を浮き彫りにした。

レースサポートメカニックによる作業の実演に、参加者たちの目は釘付けにされた。
レースサポートメカニックによる作業の実演に、参加者たちの目は釘付けにされた。
工場に置かれていたレースタイヤ。限界走行の熱で表面が溶けたタイヤが、メカニックの言葉をより生々しく感じさせる。
工場に置かれていたレースタイヤ。限界走行の熱で表面が溶けたタイヤが、メカニックの言葉をより生々しく感じさせる。

座談会の終盤には、AF Corse(フェラーリのワークスチーム)のレースサポートに入るメカニックからも話があった。タイトなレーススケジュールの中でトラブルが起きても、絶対に出走させるというメカニックの矜持。夜通しの作業を経て、翌朝には何事もなかったかのように車を送り出す緊張感。

サーキットの匂いが漂ってくるような臨場感のある話に、学生たちは身を乗り出すように聞き入っていた。

「ここには上限がない」から、働きたい

座談会が終わった後も、参加者たちはメカニックを囲んで話し込んでいた。名刺を交換する者、連絡先を聞く者。整備士志望の学生だけでなく、まだ進路を決めていない高校生も積極的に質問していた。

トヨタの整備学校に通う、ある学生は座談会の感想をこう語った。

「整備士になるなら国産メーカーからという道が一般的で、外資系は狭き門だと思い込んでいました。でも今回、もしかしたらチャンスがあるんじゃないかと。フェラーリで働くことも選択肢に入れて、進路を考えたいと思います」

そして、転職を検討中の現役整備士は、はっきりと言い切る。

「今の工場では学べる上限が決まっている感じがする。でも、ここには上限がない。学べることしかないだろうなと確信しました」

自分でもやれる自信はあるかと聞くと、「ありますね」と即答した。

日本にフェラーリの正規ディーラーは十数店舗しかない。そこで働く整備士の数は、自動車業界全体から見ればごくわずかだ。だが、その希少な現場への入り口は、実は開かれている。

Ferrari Tech Talentは、採用に直結するプログラムではない。目的は、フェラーリの整備士という仕事の存在を知ってもらうこと。その魅力を、現場で働く人たちの言葉で伝えること。

もしあなたの周りに、車が好きで、将来は車に関わる仕事がしたいと思っている若者がいたら、このプログラムのことを教えてあげてほしい。最高峰のブランドが、次世代に向けて手を差し伸べている。その事実を知ることが、誰かのキャリアを動かすかもしれない。

 

フェラーリ テックタレントプログラム 特設サイトはこちら
https://forbesjapan.com/feat/ferrari_tech_talent/

promoted by Ferrari / text by Tsuzumi Aoyama / photographs by Kimi Mikawa