経営・戦略

2026.03.23 07:15

建設業界で8割が「人手不足により受注を見送る」という調査結果

AdobeStock(写真はイメージです)

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建設業界では慢性的な人手不足が続いているといわれるが、その影響は実際の受注機会にも及んでいるようだ。株式会社NITACOは、建設業従事者を対象に「建設業の人手不足による案件受注の見送りに関する調査」を実施した。その結果からは、建設業界において人材不足が現場レベルだけでなく、受注の機会にも影響を及ぼしている実態が浮かび上がった。

【調査の概要】
調査概要:人手不足による案件受注の見送りに関する調査
調査対象:建設業の従事者
調査期間:2026年02月18日~2026年02月25日
調査方法:WEBアンケート
有効回答者数:266名

人手不足で受注を見送った経験、8割超

人手不足を理由に案件受注を見送ったことがあるかを尋ねたところ、「よくある」が30.5%、「たまにある」が52.3%となり、合計で約8割の人が受注見送りの経験があると回答した。一方で「ほとんどない」は15%、「一度もない」は2.3%にとどまっている。

多くの建設事業者が、人手不足を理由に案件を受けられない状況を経験していることがわかる。

建設業は公共インフラ整備や都市開発など社会基盤を支える産業だ。受注機会の見送りが常態化しているとすれば、それは企業の売上機会だけでなく、社会全体のインフラ整備のスピードにも影響を与える。そうなると建設業界で起こっていることは決して「他人事」ではない。

不足しているのは「技能者」 

受注見送りの主な原因としてもっとも多かったのは「技能者/作業員不足」で67.2%だった。続いて、
施工管理:41.2%
一時的な繁忙による不足:36.6%
設計/技術者不足:26.5%
事務/書類担当不足:8.4%
という結果となった。

現場作業を担う技能者不足が中心の課題となっている一方で、施工管理や設計人材など専門職の不足も一定の割合に達している。

見送られた案件の最多は民間建築工事

また、人手不足によって見送った案件の種類については、「民間建築工事」が38.7%でもっとも多かった。次いで、
公共工事:25.2%
設備/専門工事:16.9%
改修/小規模工事:14.3%
その他:4.9%
となっている。

民間建築工事の割合が高い結果となったが、公共工事も一定の割合を占めており、人手不足の影響が幅広い案件に及んでいることが読み取れる。

人手不足対策、採用強化と外注活用が中心

企業が取り組んでいる人手不足対策としてもっとも多かったのは「採用強化(求人・待遇改善)」で68.49%だった。続いて、
外注/協力会社活用:56.3%
DX/IT化による効率化:26.89%
特に対策していない:8.82%
となっている。

採用強化や外部リソースの活用が主な対策となっている一方、DXによる効率化に取り組む企業は約4分の1にとどまった。多くの企業が採用や外注など人材確保に軸足を置いていることから、現場の担い手不足が依然として大きな課題であることがうかがえる。

人手不足が受注機会にも影響

今回の調査からは、建設業界において人手不足が単なる採用の課題にとどまらず、実際の受注機会にも影響している状況が見えてくる。多くの企業が採用強化や外注などの対策を進めているものの、技能者不足を中心とした人材課題は依然として大きい。

建設需要が続くなかで、現場の担い手不足をどのように補っていくのか。人材確保と業務効率化の両面からの取り組みが、今後の業界の重要なテーマになりそうだ。


出典元:ツクノビマガジン

プレスリリース

文=福島はるみ

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