アジア

2026.03.17 10:30

中国が「グリーン転換」で製造業をリード サプライチェーン掌握で西側経済を置き去りに

Shutterstock.com

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中国はクリーンエネルギー転換をめざす世界の動きの最前線に立ち、米国と欧州連合(EU)を合わせた額にほぼ等しい投資を行っている。しかし、本題はそこではない。重要なのは、クリーンエネルギー・サプライチェーンのほとんどにおいて中国が製造業をリードしているという点である。

もっとも、中国のクリーンエネルギー拡大には重大な「但し書き」が付く。巨大な産業基盤を擁し、石炭依存を続ける中国は、依然として世界最大の温室効果ガス排出国だ。このパラドックスは注目に値する。実際、汚染レベルの低減に必要な技術の多くを作り上げている経済圏こそが、排出量の大部分を占めているのだ。

米国政府や連邦議会が電気自動車(EV)やソーラーパネルへの関税を議論している間にも、中国は何歩も先を進んでいる。実際、中国のグリーン移行は気候政策が主眼ではない。むしろ、輸出と規模拡大を一体化して、今世紀を特徴付けるであろうサプライチェーンとグローバル・パートナーシップを支配する戦略なのである。

世界の太陽光パネルの80%、リチウムイオン電池の75%を中国が製造

世界経済フォーラム(WEF)は次のように述べている。「産業政策と経済政策は今や、エネルギー転換政策の主な手段となっている。各国政府は従来型のエネルギー政策に代わり、現地調達(ローカルコンテント)規制や税額控除、補助金、貿易措置といった産業政策に注力することで、経済的・戦略的目標の達成を目指している。言い換えれば、これは単に太陽光発電所や風力発電所を建設する競争ではなく、工場を建設する競争なのだ。この競争では、これまでのところ中国が圧倒的優位にある」

その発展の広がりは驚異的だ。国際環境シンクタンクのクライメート・アクション・トラッカー(CAT)によると、中国は現在、世界の太陽光パネルの80%以上、風力タービンの約60%、リチウムイオン電池の約75%を製造している。また、これらの技術に不可欠な重要鉱物の多くの主要な加工国でもある。

これは単なるサプライチェーンの深度にとどまらない。これにより中国は、世界各地の「電化」のペースとコストを永続的に握ることができるのだ。

この戦略が非常に強力なのは、中国の国内市場が足掛かりとして機能しているからだ。大規模な国内展開により中国企業にとって確実な需要が生まれ、低コスト化が可能になり、それが輸出の拡大につながる。輸出が増えれば世界市場でシェアが高まり、価格決定力と技術的リーダーシップを握れるようになる。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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