「ソニー×Nature」でアワードを設立した理由
—— 「Sony Women in Technology Award with Nature」を設立した背景はどのようなものだったのでしょうか? ソニーグループとNatureのパートナーシップはどのようにして実現したのでしょうか?
北野: 数年前から、ソニーグループとして「ダイバーシティ(多様性)」を推進するために何ができるかを模索していました。テクノロジー企業であるソニーとして、既存の科学賞とは一線を画す「テクノロジー分野の女性」に光を当てる、権威ある国際賞を作りたいと考えたのです。
しかし、ソニーグループにはイメージングやエンターテインメントのアワードを運営した経験はあっても、学術的なアワードをゼロから作る経験はありませんでした。そんな時に、Natureから新設される別のアワードの審査員になってほしいという依頼がありました。そのアワード自体は実現しませんでしたが、これをきっかけにマグダレーナと話してみると、すぐにアワードの共同創設に賛同してくれました。私たちソニーグループだけでは、このアワードの創設は難しかったでしょう。Natureがいたからこそ、高いクオリティと権威を担保できたのです。
マグダレーナ: これは「真のシナジー」、生物学者として言うならば「真の共生(symbiosis)」の素晴らしい例だと思います。Natureにとっても、ソニーグループとのパートナーシップなしには、これほどの成功は収められなかったでしょう。
私としても、このアイデアに惹かれた理由はいくつかあります。ひとつはもちろん、女性として、そしてNature150年以上の歴史のなかで初の女性編集長として、女性たちの貢献が真に認められるべき時が来たと感じたからです。
また、Natureは長年基礎科学を主軸としてきましたが、今はテクノロジーやエンジニアリングを含む全分野をカバーしています。北野さんそしてソニーとともにこの賞の設立に賛同した背景には、私たちがテクノロジーに対しても強い関心とリスペクトをもっていることを強調したいという意図もありました。
そして、Natureにも「Inspiring Women in Science」というザ エスティローダーカンパニーズとのパートナーシップによって創設されたアワードがありますが、そちらは「初期キャリアの女性」に焦点を当てています。一方で、今回の「Sony Women in Technology Award with Nature」は「初期キャリアから中堅キャリア」を対象にしています。この点も非常に重要です。多くのアワードはキャリアの「始まり」か「終わり」にスポットライトを当てがちですが、このキャリア時期こそがもっとも支援が不足しているステージです。


