テクノロジー

2026.03.17 14:00

グーグルの「あなたのウェブサイトを終わり」にする新特許 AIが勝手に作り替える

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筆者は2月に、グーグルがWebMCPをリリースした件について記事を書いた。WebMCPとは、ウェブサイトが構造化された機能や情報をAIエージェント(AI駆動の自律型プログラム)に直接公開できるようにするプロトコル(通信規約)だ。従来、AIエージェントはスクリーンショットを処理したり、生のHTMLをスクレイピング(自動取得)してボタンの位置を特定したりするだけで大量のトークン(処理単位)を消費していた。WebMCPでは、ウェブサイト側が「自サイトで何ができるか」と「適切にナビゲートするために必要な情報」を機械可読のマニフェスト(定義ファイル)として公開する。初期ベンチマークでは、視覚的なエージェント操作と比較して計算オーバーヘッドが67%削減されたという。

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WebMCP単体でも重要な技術的転換だ。しかし今回の特許が揃うと、戦略の全体像が鮮明になる。グーグルは単にエージェントの効率化を図っているのではない。より大きなビジョンがある──ウェブサイトを構成パーツに分解し、AIシステム(グーグルやその他)が各ユーザーに最適な形に再構成するシステムの構築だ。WebMCPがウェブサイトをパーツに変換し、その使い方の説明書を提供する。本稿で取り上げた特許は、そのパーツをどう扱うかの決定権をグーグルに与えるというものだ。

両者は別々の製品ではない。同一インフラの2つのレイヤーだ。

マーケターとブランドリーダーが今すべきこと

今こそ厳しい問いに向き合うべきだ──もしグーグルが自社よりも優れたランディングページを生成できるなら、自社のウェブサイトは一体何のためにあるのだろうか。

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率直に言えば、大半のブランドのランディングページは人間のユーザー向けに作られたものだ。込み入ったナビゲーション、トップページのヒーロー画像、説明動画、理想を訴求するコピー。いずれもブランドへの理解と魅力を高めるための、人間向けの要素である。だがウェブを巡回するAIエージェントにとって、これらは負担でしかない、過去の遺物だ。

いま最も注目すべきポイントが一つあるとすれば、あなたの仕事は、もはや「目的地」を作ることではないということである。「パーツライブラリ」を作ることだ。しかも十分にドキュメント化されたパーツライブラリを。そうすれば、AIエージェントがそのパーツを画面の向こうにいる人間のために再構成する際に、あなたが望む形でブランドが表現されることになる。

ウェブは常に、ユーザージャーニーに対するブランドのコントロールを奪う方向に進化してきた。広告がオーガニック検索順位に取って代わった。強調スニペット(検索結果ページに直接表示される要約情報)がクリックを奪った。「AIによる概要」(検索結果にAIが生成した要約を表示する機能)がサイト訪問そのものを不要にした。今回の特許は、この流れの論理的な次のステップにすぎない。問うべきは「どうすればこの流れを止められるか」ではなく、「どうすれば自社のパーツがAIに選ばれるものになるか」だ。

特許:US12536233B1「特定のユーザーに合わせたAI生成コンテンツページ(AI-generated content page tailored to a specific user)」は、米国時間(以下同様)2026年1月27日にGoogle LLCに付与された。2025年1月3日に出願され、仮出願は2024年7月25日に遡る。グーグルは欧州でも並行出願しており、これが単なる実験ではなく、主要市場をまたいで保護を進めている戦略的方針であることを示している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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