経営・戦略

2026.03.19 14:00

テスラ、真の成長エンジンがロボタクシーではなく「エネルギー事業」である理由

Dan Race - stock.adobe.com

テスラはまた、2028年までに米テキサス州ヒューストンで第3の施設を稼働させ、追加で50GWhの生産能力を確保する計画という。「既存施設の拡張の可能性もある」とヒューズは述べた。その結果、この事業部門には「大きな成長余地がある」という。

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米国でのバッテリー供給基盤を強化するため、テスラは1月、テキサス州コーパスクリスティ近郊でリチウム精製施設の操業を開始した。マスクはXの投稿で、この施設が米国最大のものになると述べていた。ただし同社は依然として、メガパックに使用されるリン酸鉄リチウム(LFP)電池の部材について、中国企業のパートナーに依存している。それでも、中国製バッテリーや材料に対する米国の関税引き上げも、テスラの蓄電パックへの需要を大きく鈍らせるには至っていない。

着々と進む「太陽光パネル」の増産

今年初めテスラは、ニューヨーク州バッファローの工場で製造されていると見られる新型の太陽光パネル「TSP-415」と「TSP-420」の販売を開始した。この動きは意外だ。同工場はニューヨーク州が所有し、テスラが年1ドルで借りているが、約10年前にソーラーシティのパネル工場として稼働して以降、十分に活用されてこなかったからだ。テスラは2016年、物議を醸した買収でソーラーシティを取得した。批判派は当時、マスクが支援していた同社が破綻寸前だったと指摘していた。

それでも、バッファロー工場の規模は、マスクが今回の太陽光事業の強化で掲げる年間100ギガワット(GW)の生産能力には到底及ばない。一方、テスラエナジーのシニアディレクター、コルビー・ヘイスティングスは、同社が今年、バッファロー工場のパネル組み立て能力を300メガワット(MW)まで拡大する計画だと述べている。

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元エネルギー省のシャーによれば、テスラがバッファロー工場の拡張を進める可能性はあるものの、別の場所に新工場を建設する可能性も高いという。「まだ場所は決まっていないと思う。私がエネルギー省にいたときに評価した候補地が7、8カ所ある。どれも計画の90%まで進んだものの途中で放棄されたプロジェクトで、テスラはそうした場所を引き継ぐこともできる」と彼は語った。

ベアードのアナリスト、ベン・カロも、テスラが米国内で太陽光パネルの生産を拡大する方針自体は既定路線だと見ている。ただし新工場の建設に着手するのは来年以降になる可能性が高いという。「太陽光事業について、テスラは米国内での生産を拡大する姿勢を示している。ただ、工場建設に着手するのは来年以降になるだろう」と彼は語った。

また、バッファロー以外でも、ゼロから新工場を建設する可能性があるという。「私の見立てでは、マスクが決算説明会で言及した100GWの生産能力は段階的に構築されることになる。例えば25GW規模のプロジェクトを4つ建設するような形だ。実現までには数年かかる可能性が高い」とカロは続けた。

テスラはコメント要請に応じなかった。

一方、投資家のガーバーは、マスクが描く太陽光事業の拡大計画が、彼が示すスケジュール通りに実現するかには懐疑的で、コストも決して安くはないと見ている。それでも彼は、エネルギー事業に注力するという方向性自体は極めて合理的だと評価している。

「エネルギー事業は成長しているだけでなく、しっかり利益も出ている。事業規模も拡大している」とガーバーは語る。「この事業だけでも500億〜1000億ドル(約7兆5000億〜15兆円)の価値がある。他の事業の売上が減少するなか、テスラにとってエネルギー事業の重要性はますます高まっている」と彼は続けた。

forbes.com 原文

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