働き方

2026.03.17 10:45

ITフリーランスの約6割が企業に不満を言えず我慢している実態

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IT系やウェブ系のフリーランス・クリエイターは、企業から受注した仕事、いわゆる「企業案件」において、約6割が企業側に不満を訴えられない現実が調査で明らかになった。ズバズバ言える人も少ないだろうが、じつに6割近い人たちが我慢している状態は健全ではない。これでは、いい仕事が期待できなくなる。

SEOコンサルティングやウェブサイト制作などの事業を展開するLiKG(リク)は、IT系およびウェブ系のフリーランスクリエイター200人を対象に、企業案件における本音に関する調査を実施した。すると、企業側に本音が言えなかった経験のある人は56.5パーセントにのぼった。

本音、つまり不満、あるいは改善の要望を聞くと、もっとも多かったのが「修正回数・修正範囲が曖昧」というものだった。続いて、「フィードバックが抽象的」、「レスポンスが遅い」などとなっている。

自由意見では、「契約時は設計やコーディングの契約だったが、入ってみるとマネジメント業務を求められた」、「事前に聞かされていない仕事を無償で押し付けられた」といった仕事の範囲がきちんと決められていない問題もあげられた。また、「社内スタッフ扱い」をされるというものもあった。あれもやって、これもやってと、気軽に仕事を振られてしまう様子が見てとれる。なぜそこまで我慢しなければならないのか。

言えない理由は、「立場的に言いづらかった」が1位だ。フリーランスは「お仕事をいただく」側という弱い立場にある。本来は対等なはずだが、そんな空気がある。次が「言っても改善されないと思った」、「仕事がなくなりそうだった」など。

こうした状況で仕事を続けた場合、どのような影響があったかを尋ねると、約60パーセントの人は「ストレスが溜まった」と答えている。次に「モチベーションが下がった」も多い。これではいい仕事ができない。お互いに不幸だ。

そこでLiKGは、コミュニケーション構造の設計が重要だと指摘し、次の3つの課題解決ポイントを提示している。

1. 契約・業務範囲の明確化
事前に修正回数や業務範囲などを明確化して、認識のずれを防ぐ。

2. フィードバックの言語化
具体的なフィードバックルールを決めて曖昧さをなくすことで、双方の負担を減らす。

3. 第三者によるコミュニケーションサポート
プロジェクトマネージャーや仲介会社を入れることでコミュニケーションがスムーズになることがある。率直に物が言いにくいフリーランスには重要だ。

これらの提案をフリーランスの側から持ち出すのは、この調査結果を見てもわかるとおり難しい。せっかく見つけた優秀な人材に、存分に能力を発揮してもらうためには、発注側が率先して環境整備を行うことが大切だろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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