欧州

2026.03.16 11:00

NATOやEUから距離を置くジョージア与党 民主主義は後退するのか?

ジョージアの首都トビリシで行われた与党に対する抗議活動。2025年12月27日撮影(Sebastien Canaud/NurPhoto via Getty Images)

ジョージア情勢の展開を受け、西側諸国は警戒を強めている。NATOのマルク・ルッテ事務総長は、米政府系「ラジオ自由欧州(RFE)」の取材に対し、ジョージアの状況を「深く憂慮している」とした上で、同機構の見解を「ジョージア側に明確に伝えた」と明らかにした。

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EU当局者も「ジョージアの夢」が実施している政策について懸念を抱いている。例えば、EUは今月6日、「民主主義の後退を理由に、ジョージアの外交官と政府高官に対するビザ(査証)免除措置を少なくとも1年間停止する」と発表した。EUは、「ジョージアの夢」が民主主義に対する公約を繰り返し破ってきたと指摘した。EUの外相に当たるカヤ・カラス外交安全保障上級代表は同党に対し、「政府が自国民を攻撃し、ジャーナリストの口を封じ、自由を制限すれば、それなりの代償が伴う」と警告した。

同党がNATOやEUの当局者からの発言にどう対応するのかは不透明だ。ジョージアの野党や市民は、与党がジョージアを後退させたと訴えている。先述のジャパリゼは次のように説明する。「ジョージアには活気ある市民社会があり、国民の動員は歴史的に同国の政治生活の重要な特徴だった。継続的な反対運動や提言活動、公開討論といった平和的な市民参加は、最終的には政治的な動機に影響を与え、政策立案者に対して国民の期待を伝えることができるだろう」

専門家や政策立案者は、ジョージアの野党や国民が与党に対抗するためにどのように結束していくのかを見守っている。早期総選挙が実施されない限り、次回の議会選挙は2028年まで待たなければならない。つまりそれまでの間、ジョージアの民主勢力は政府に対する抗議運動に頼らざるを得ないことになる。国民が与党に対し、議会選挙を早期に実施するよう圧力をかけ、民主化運動を成功させることができるかどうかは、時が経てば明らかになるだろう。もし早期に総選挙が行われた場合、その結果はジョージアだけでなく、周辺地域にも影響を及ぼすことになるだろう。

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ジャパリゼはこう結んだ。「ジョージアの安定や安全保障、制度的な方向性は、国境をはるかに超えて影響を及ぼしている。同国は貿易ルートやエネルギー施設など、地政学的利害が交錯する要衝に位置している。このため、2つの現実を同時に認識することが重要だ。ジョージアには回復力があり、親欧州感情も強いが、同時に複雑な政治的・地政学的な圧力にも対処している。こうした圧力にどう対処するかが、ジョージアの国内情勢の行方だけでなく、変化し続けるユーラシアの連結性と地政学の枠組みにおける南カフカス地方の将来の役割をも左右することになるだろう」

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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