ウクライナが、対ドローン防衛の戦略家チームと最先端の迎撃兵器を、イランとの武力衝突に揺れる米国に投入し始めている。ドローン戦における世界的リーダーとして、ウクライナの急速な台頭が世界の注目を集めるだろう。ウクライナが主要軍事国へと進化する過程を追ってきた第一人者の1人は、そう予測する。
ウクライナが中東における対ドローン防衛の支援を決定
ピーター・ディキンソンは、ロシアの侵攻と爆弾搭載ドローンに直面する中で、ウクライナ防衛技術のブレークスルーを調査してきた。ワシントンD.C.の有力シンクタンクであるアトランティック・カウンシルが発行する雑誌Ukraine Alert(ウクライナ・アラート)の編集者として、ディキンソンはロシアのウクライナへの電撃戦、そして両者の戦時戦略と兵器を記録している。彼は20年前、ブリティッシュ・カウンシルの職員として初めてウクライナに赴任した。
今回の取材に対してディキンソンは、ロボット化した「自爆」航空機の群れを共同開発するというモスクワとテヘランの協力関係が、現在中東へと拡大している可能性を指摘した。これにより、西側軍事拠点の司令官や攻撃対象となっている中東諸国の指導者が、こうした空からの攻撃に対抗するため、ウクライナの支援を求めるようになっているとディキンソンは言う。
「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、イラン製ドローンに対する防衛を支援するため、中東にウクライナの専門家を派遣すると確認した」とディキンソンは言う。
米国を含む11カ国からの支援要請に応じ、専門チームを派遣
ゼレンスキーは、Xでの一連の投稿で、「(イラン・ロシア製の)「シャヘド」ドローンへの対抗に関し、我が国からの安全保障支援を求める国家からの要請」を検討していると述べた。「現時点で、イラン周辺国、欧州諸国、そして米国から11件の要請がある」という。
「人命を守るというウクライナの経験、関連する迎撃兵器、電子戦システム、そして訓練に関して明確な関心がある」とゼレンスキーは付け加えた。
2022年にロシア戦車が国境を越えて侵入し始めた際、安全な欧州への避難という西側からの申し出を断った、民主主義の象徴的な擁護者ゼレンスキーは、中東における戦争再燃以降、イランが放ってきた攻撃ドローンの部隊と戦うため、米国と協力することを即座に承認したと述べた。
「中東の民間人をどのように支援するか、そして特定の国に展開する米兵をどのように支援するかについて、いくつかのメッセージを受け取った」とウクライナ大統領はXで述べた。
「我々は応えた。専門家を派遣し、彼らを守るために必要なものをすべて提供する」。
ゼレンスキーによれば、ウクライナは防衛戦略家3チームと国家安全保障・国防会議の議長を紛争地帯に派遣したという。イランへの共同防衛策の策定を支援するとともに、イランの同盟者ロシアを抑え込む可能性も視野に入れていると明かした。
また彼は、イラン製のオリジナル版シャヘド・ドローンを高速化し、より致命的に改良したロシアのアップグレード版が、現在テヘランへと迅速に送り返されていると指摘した。
「イランとロシアの両政権は互いに支援し合っており、『シャヘド』にロシア製部品が含まれていることなど、より多くの情報が明らかになっている。『シャヘド』はイランの隣国を攻撃している」と彼は述べた。
続く投稿でゼレンスキーは、ロシアとイランの軍事協力が急速に拡大し得るのではないかと懸念を示した。「ロシアはドローンでイラン政権を支援し始めた。ミサイルでも必ず支援するだろうし、防空でも支援している」。
「次は何か?」と彼は問いかけた。「この状況を考えると、疑問は1つだけだ。いつ、どの国が最初に軍隊を派遣してイラン政権を支援するのか」。
ゼレンスキーは、北朝鮮がロシアとともにウクライナで戦うため、約1万人といわれる兵士を派遣したことと同様に、「イランでも同じことが起こり得る。ロシアがそこに軍隊を送るかもしれない」と論じた。



