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2026.03.15 09:14

Amazonが世界最大企業になれた理由は、ベゾスが繰り返した「一つの言葉」にある

AdobeStock

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Amazonが年間売上高で米国最大企業の座を17年間守ってきたWalmartを抜いたとき、そのニュースは株価、ビジネスモデル、消費者行動の変化をめぐる議論を呼び起こした。だが見出しの先を掘り下げると、この話にはリーダーシップ、コミュニケーション、そして顧客第一のカルチャーを築くことに関する強力な教訓がある。

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米国最大企業への道のりは30年前、シアトルのガレージで始まった。ジェフ・ベゾスが自ら本の箱詰めをし、発送準備をしていたころである。会社はオンライン書店としてスタートしたが、ベゾスの視線は、顧客が求めるはるかに幅広い商品群の販売に向いていた。

ベゾスは1997年の最初の株主向け書簡で、目標達成に向けた戦略を明らかにした。このメモは、成功への道として「顧客第一(customer obsession)」の原則を、ベゾスが公の場で初めて示したものだった。2年後の1999年の書簡では、その考えをさらに研ぎ澄まし、「世界で最も顧客中心の会社(The World's Most Customer-Centric Company)」をつくるという明確な使命へと昇華させた。

もしそこで終えていたなら、Amazonの使命は、書簡やウェブサイトの片隅に埋もれた一文として十分に「それらしく」見えただろう。だがベゾスはそれを合言葉へと変えた。これが決定的な違いを生んだと、私がThe Bezos Blueprintのために取材した元Amazon幹部たちは語っている。

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ベゾスはAmazonの使命を合言葉に変えた

合言葉とは、常に、しかも一貫して繰り返されるスローガンや言明のことだ。ベゾスはまさにそれを実践した。「地球上で最も顧客中心の会社」という言葉から一度たりともぶれなかった。公開インタビューでも、株主向け書簡でも、社内メモでも、早い段階から何度も繰り返した。使うフレーズはいつも同じだった。

「世界で最も顧客中心の会社」という使命は、ドットコム崩壊のような暴落や、エンターテインメント、クラウドコンピューティング、人工知能への進出といった大きな転換期を経ても、Amazonの使命として生き残った。

ベゾスがCEOを退いたときも、彼はそのフレーズを、自身のAmazonでのキャリアを締めくくる言葉として、そして未来へのビジョンとして繰り返した。「私たちは常に、地球上で最も顧客中心の会社でありたいと思ってきた」とベゾスは書いた。「それは変えない」

企業の使命が成功しているかどうかを測る真の試金石は、社員がそれを知っているか、そして何より、それを意思決定の指針として使っているかにある。Amazonの場合、それを確かめるのは難しくない。会社の「会社概要」ページには、1997年当時と同じ使命が今も掲げられている。1語たりとも変わっていない。

その使命は、書かれた言葉でも語られる言葉でも、一貫している。アンディ・ジャシーがAmazonのCEOに就任して間もなく、彼はTIME誌にこう語った。「地球上で最も顧客中心の会社である、という点に本当に強い結びつきがある」。ジャシーがこのフレーズを使い続けるのは、顧客体験への容赦ない執着的な集中が、極めて複雑な事業環境においてAmazonに優位性をもたらすと理解しているからだ。

「私は毎年の年次書簡で、Amazonを動かしているものについての洞察を共有しようとしている」とジャシーは2025年の株主向け書簡で読者に念を押した。「最も高いレベルでは、私たちは地球上で最も顧客中心の会社になることを目指している」

ジャシーがAmazonは使命の達成を「目指している(aiming)」と言っている点に注目したい。言い換えれば、使命の実現は継続的な取り組みであり、チームが行動と意思決定によって勝ち取らねばならない称号なのだ。

覚えられる使命でチームを束ねよ

大胆で共通の目標のもとにチームを揃えたいリーダーは、Amazonのやり方から学ぶべきだ。自問してほしい。

私は使命を一貫して繰り返しているか?

チームの全員が、見ずに使命を言えるか?

チームは意思決定を使命に結びつけているか?

私が部屋にいないときでも、社内の人々は使命を口にしているか?

リーダーであるあなたは、使命の守り手である。使命はAmazonとは異なるかもしれない。あなたの会社の使命は、イノベーション、安全、サステナビリティ、教育、サービス、あるいはまったく別の何かに関わるものかもしれない。何であれ、それを生きたものにしない限り、ただの空虚な言葉にすぎない。

会社のストーリーを、絶えず、そして一貫して語り続けよ。

forbes.com 原文

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