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2026.03.17 12:30

「ストレスホルモン」の分泌を招いてしまう5つの習慣と改善方法

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3. 常時のマルチタスク

全人口のうち、マルチタスクをうまくこなせる人はわずか2%だ。残りの人にとっては、「効率的」という言葉で正当化された注意散漫にすぎない。

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心理学者グロリア・マークは著書『Attention Span: A Groundbreaking Way to Restore Balance, Happiness, and Productivity』の中で、ある作業から別の作業へと注意を素早く切り替えるほど、私たちはストレスを感じ、疲れてしまうと説明している。これは、注意をある作業から別の作業へと移すたびに「スイッチング・コスト」が発生するからだ。作業のスイッチング・コストとは、新しい作業に注意を向け直すのに脳の認知リソースが必要とする時間のことだ。

研究では、頻繁なマルチタスクはワーキングメモリを低下させるだけでなく、驚くべきことに生産性も約40%低下させる可能性があることが示されている。

複数の作業を同時にこなす代わりに、1度に1つのことに集中すると次の作業に移る前に現在の作業に完全に注意を向けられる。そうすれば気持ちが落ち着くだけでなく、少ない精神的疲労でより多くのことを達成できる可能性が高くなる。

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4. 超加工食品の摂取過多

超加工食品は血糖値の急激な上昇と低下を引き起こすことが多い。その結果、身体はエネルギーを安定させるためにコルチゾールを分泌する。これらの食品は慢性的な炎症とも関連しており、やがてコルチゾールの調整を妨げる可能性がある。

カーンは食生活を一度に大きく変える代わりに、まずは加工食品の間食を健康的な脂肪とタンパク質を多く含むものに置き換えることを提案する。例えばクッキーやポテトチップスの代わりに、ベリー入りのギリシャヨーグルトやアーモンドバターを添えたリンゴのスライスなどにする。

また、最初のコーヒーを飲む前に朝食を取ることも有効だ。朝食を抜くと身体が血糖値を調整しようとするため、コルチゾールレベルが上昇する。やがてこれは消化や睡眠、代謝機能に影響する可能性があると、管理栄養士で運動生理学者のレイサン・エコルズは説明する。

5. 就寝前のテレビや端末の使用

睡眠不足とストレスは悪循環を作る。日中に蓄積したストレスや緊張は眠りにつくのを難しくし、睡眠が不足するほどコルチゾールレベルはさらに上昇する。ベッドでスマホを使うと状況はさらに悪化する可能性がある。端末が発するブルーライトはメラトニンの分泌を抑え、精神への過剰な刺激によって脳を覚醒状態に保つからだ。ノルウェーで行われたある研究では、就寝前に1時間スクリーンを見るだけで、不眠のリスクが59%上昇し、睡眠時間が24分短くなることが示された。

就寝前にテレビを見たり端末を使用し続けたりする代わりに、翌日やるべきことのリストを書き出す時間を5分取るといい。逆効果に思えるが、米ヒューストンのメンタルヘルスカウンセラー、サラ・スルタンによると、これを行う人は行わない人よりも早く眠りにつくことが研究で示されているという。

終わっていない仕事についてあれこれ考え続けると不安や心配の増大やコルチゾールレベルの上昇につながり、睡眠を妨げる可能性がある。翌日やるべきことを書き出すことで区切りのようなものをつけ、リラックスして眠りにつくことができるとスルタンは説明する。

また、ライフスタイル医学を専門とするリトゥ・サルージャ・シャルマ博士は、心身を休息モードに切り替えるために就寝前の入浴やシャワーを勧めている。「深部体温が上がり、その後ゆっくり下がると、身体は休む時間だと認識する」とシャルマは言う。お湯は筋肉の緊張も和らげ、さらに神経系を落ち着かせる効果がある。

2019年に行われた17の研究のメタ分析では、就寝1〜2時間前に10分間温かいシャワーを浴びたり入浴したりすると入眠が早くなり、睡眠時間も長くなることが示された。

最後に、コルチゾールは敵ではない。身体が正常に機能し、人生の困難に対応するために必要なものだ。大切なのは、コルチゾールが適切なレベルに保たれるような生活習慣を作ることだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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ハーバード・メディカル・ノート「新しい健康のモノサシ」

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