経済・社会

2026.03.14 23:56

米2月雇用者数が急減、見通し悪化もFRB利下げへの道筋が開く

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2月の雇用者数は9万2000人もの大幅な減少を記録し、労働市場が回復基調に入りつつあるとみていたエコノミストの予想を裏切る結果となった。

1月の雇用者数は13万人増加しており、エコノミストは今月も約5万人の増加を見込んでいた。しかし2月の減少により、1月の大幅増加分の大部分が帳消しとなった。さらに、12月の雇用者数は4万8000人増から1万7000人減へと下方修正された(1月も12万6000人へとわずかに下方修正)。

雇用者数が月ごとに大きく変動するなか、過去3カ月間の平均増加数はほぼゼロに近づいている。実際、2月の減少は、季節調整により実際の雇用増加を上回る数値が計上された1月の過大評価に対する修正である可能性が高い。12月の下方修正により、2025年通年の雇用増加数は10万人強にまで弱まった。これは、年間を通じて医療・社会福祉(特に保育・介護)分野での増加がなければ、かなり厳しい数字といえる。

これまでの月では医療分野が雇用増加に大きく貢献していたが、先月は医療関連の雇用が2万8000人減少した。これは少なくとも一部、ストライキの影響によるものだ。だが縮小したのは医療だけではない。情報技術(IT)は1万1000人、運輸・倉庫は1万1000人、連邦政府は1万人減少した。レジャー・接客業も2万7000人減となった。

家計調査では、失業率が4.4%に上昇した。採用活動がこれほど低迷しているにもかかわらず失業率の上昇が抑えられているのは、移民が労働市場(そして国)から離れるなか、過去1年間で労働参加率が0.5ポイント低下したためである。2月の失業者数は12万5000人増加し、長期失業者も8万6000人増加した。

労働市場が非常に弱い状況にあることは、もはや否定できない。新規採用は極めて低調で、失業者数も増加し始めている。関税引き上げ(先週、最高裁判所がある日に違法と判断したものの、翌日にはトランプ氏が別の法的根拠で引き上げを実施)、移民の減少、そして全般的な不確実性といった労働市場への逆風は強まる一方だ。職場における人工知能(AI)活用の拡大も、雇用主が若年労働者の採用を躊躇する要因となる可能性がある。

2026年の残りはどうなるのか。昨年の減税による効果が、消費需要を押し上げることでマイナス要因をある程度相殺する可能性がある。一方で、イランでの戦争が長期化すれば、原油価格の急騰がインフレと労働市場の両方を悪化させる恐れがある(少なくとも短期的には)。

労働市場の弱さを示す明確な証拠は、連邦準備制度理事会(FRB)が2026年に利下げを実施しやすくするはずだ。しかし、関税やエネルギー価格によってインフレが上昇すれば、その判断も難しくなる。米国経済の混乱が続き、さらにはイラン紛争が長期化すれば世界経済にも影響が及ぶ可能性があり、2026年の経済見通しは弱まるものの、今後数カ月間のFRBの舵取りは困難を極めることになるだろう。

forbes.com 原文

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