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2026.03.14 16:53

「AIと働け」では失敗する──人とAIの協働を成功させる7つのフェーズ

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AIを導入し、従業員に「さあ、これと一緒に働いてくれ」と告げればいい、というわけではない。それは反発と混乱を招く確実なレシピだ。人とAIの協働を成功させるには、どのプロセスを作り替えるのか、あるいは方向転換させるのかを、あらかじめ考え抜く必要がある。

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例えば、購買担当マネジャーに対し、最も安く、品質も最良の資材を調達し、手配を早めることをAIエージェントに頼れと単純に求めることはできない。こうしたマネジャーは、サプライヤーとの間に、人と人との信頼関係を築き上げてきた。だからこそ、いざというときにそのサプライヤーを頼れると分かっている。エージェントは、そのような安心感を提供できるのか。(新型コロナの初期に需要が逼迫した際、デジタル商取引サイトがトイレットペーパーの供給を十分に担えず失速したことを思い出してほしい)

ServiceNowのグローバル・イノベーション責任者で、デジタル分野の著名なアナリスト兼人類学者でもあるブライアン・ソリスは、説得力のあるソートリーダーシップの論考で、単純な作業置き換えを超えた人とAIの協働の可能性を検討するようビジネスリーダーに促している。多くの企業が、全体像──そして機会──を考慮せずに、プロセスへAIや関連エージェントをただ貼り付けるように適用しようとしている、と彼は指摘する。

「放っておけば、経営幹部はAIの主要ユースケースをコスト削減へと引き寄せてしまう」とソリスは書く。「コスト削減と自動化が、経営陣、取締役会、投資家、株主にとっての優先事項であるなら、AIはそれを非常によく実現するだろう──そして、それ以外はほとんど何もしない」

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より生産的な人とAIの協働を確実にするため、ソリスは7つのフェーズからなるプロセスを示している。

  • フェーズ1:意図を定義し、ビジネスケースを作る。 問題は、企業が過去にうまくいったかもしれない自動化の取り組みを、単に繰り返そうとしている点にある。そうではなく、ビジネスリーダーは「効率向上、コスト削減、機械主導の雇用の置き換えに焦点を当てる従来型のアプローチを見直す必要がある」とソリスは言う。「その代わり、人間の能力を増幅するAIの前例のない力によって価値創造を実現する、という発想へ切り替えよ」
  • フェーズ2:人間の関与が必要な活動と、機械に委ねられる活動を明確にする。 問うべきは、「その活動はどれほど頻繁に発生し、何時間分のキャパシティを消費し、引き継ぎやボトルネックをどれほど生むのか」とソリスは述べる。さらに「事業に対して、人ならではの価値、創造性、判断、信頼をどれほど生み出すのか」
  • フェーズ3:人とエージェントの役割を指定する。人とエージェントを組み合わせた職務記述書を作成する。 「役割ごとに『人対AIの比率』を見積もれ」とソリスは助言する。「どの役割とタスクに、いくつのエージェントが必要か」「それらを導くために、何人の人が必要か」「人とエージェントの双方が成功していることを示すKPIは何か」
  • フェーズ4:AIリテラシーを構築する。 従業員がAIをより深く理解できるよう、プログラム、セッション、コーチングを促す。
  • フェーズ5:戦略的なパイロットを設計する。 その組み合わせが実際にポジティブな結果をもたらすかをテストする。「エージェントを人と組ませ、指標を定め、旧プロセスと30日間のA/B比較を走らせよ」とソリスは言う。追跡すべき指標には、時間短縮、品質向上、新たに生まれたキャパシティをより高付加価値の仕事へ再配分した量などが含まれる。
  • フェーズ6:スケールとガバナンス。 ここでは、ITとHRで構成されるAIリソースオフィスがエージェントを管理すべきだ。
  • フェーズ7:AIエージェントの展開後は、焦点をパフォーマンスへ移す。 「エージェントは、導入して忘れるものではなく、管理すべきだ」とソリスは言う。「何が機能し、何が機能しておらず、どこを最適化するか、あるいはエージェントを廃止すべきかを評価する、反復的なオーケストレーションと管理の仕組みを通じて、時間の経過とともにエージェントのパフォーマンスを監視し、測定し、改善せよ」

結局のところ、人間にできることには限りがあり、AIにできることにも限りがある。しかし両者が組めば、ソリスの言う「人間だけでもAIだけでも達成できない、指数関数的な成果」を生み出せる。

forbes.com 原文

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