リーダーシップ

2026.03.13 14:44

共感で導くリーダーこそ、卓越した成果を引き出せる

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共感を重視したリーダーシップは、しばしば「甘い」とか「高い基準を犠牲にしている」と見なされがちだ。心を優先するリーダーシップは自身の権威を損なうのではないか、あるいは少しでも弱さを見せれば軽んじられるのではないかと恐れるリーダーも少なくない。しかし実際には、共感こそがチームのモチベーションを高め、より優れたパフォーマンスを引き出す原動力となり得る。「共感か卓越性か」という二項対立は誤った構図であり、適切な条件のもとでは両立が可能なのである。

共感は心理的安全性の礎であり、従業員が枠にとらわれずに考え、創造性を発揮し、リスクを取るためには欠かせない要素だ。「打たなければ100%外れる」という格言はここでも当てはまる。シュートを決めるにはまず打たなければならず、打つには自信が必要だ。このように、共感は実験的な挑戦を可能にする。

また、共感は継続的な改善を促す率直なフィードバックに必要な信頼関係を築く。そして、共感型リーダーシップのもとで自分が大切にされていると感じる従業員は、より高い基準を達成しようと自ら努力する傾向がある。世界的に名高い組織の中に、心を優先するアプローチを採用しているところが多いのはそのためだ。

共感型リーダーシップがもたらす効果

サイモン・シネックがフォーシーズンズ・ラスベガスでの体験を語ったエピソードは、その好例だ。シネックがホテルのコーヒーステーションでラテを注文しようとしたとき、バリスタのノアがとてもフレンドリーで話好きだったことに心地よい驚きを覚えた。シネックがノアに仕事が好きかと尋ねると、ノアは「はい」と答え、その理由のひとつとして、ホテルのマネージャーたちがコーヒーステーションに立ち寄り、調子はどうか、仕事に必要なものはないかと声をかけてくれることを挙げた。

ノアはこれを、以前働いていた別のホテルと対比した。そこでは経営陣が「ビッグブラザー」のように監視している感覚があり、気遣いというより監視されているように感じたという。ノアはその職場ではあまり話をしなかったと語った。マネジメントのアプローチの違いが、異なる職場体験を生み出し、ひいては異なる顧客体験をもたらしたのである。

データが示す共感型リーダーシップの有効性

上記のエピソードは、私が観察してきたシンプルな事実を物語っている。それは、権限を与えられた従業員は卓越した成果を出すということだ。データもこれを裏付けており、調査によれば、心理的安全性の高い職場ではエンゲージメントが76%、生産性が50%向上するという。では、リーダーとしてこの恩恵を得るにはどうすればよいのだろうか。

鍵となるのは、共感を持ってリードしながら、高い基準をリーダーシップのアプローチに組み込むことだ。共感と卓越性が単に両立するだけでなく、相互に高め合うフレームワークを構築するためのヒントを以下に紹介する。

  • 明確な期待値を設定し、それを達成するために必要なサポートを提供する:成功とは何かを定義し、チームがそれを達成するためのリソース、トレーニング、指導を確実に提供する。
  • 前向きな説明責任を促し、罰への恐怖を払拭する:成果に対する責任を求めつつ、失敗を学びの機会として捉える環境を整える。
  • 高い基準を掲げつつ、不完全さに寛容であれ:卓越性を追求するようチームに挑戦を促しながら、成長には挫折と試行錯誤がつきものであることを認識する。
  • 建設的なフィードバックを行い、敬意を示す:改善点については率直に伝えながら、一人ひとりの貢献を尊重し、率直さに優しさを添える。

卓越性への道は共感によって舗装される

共感と卓越性のどちらかを選ぶ必要はない。むしろ重要なのは、共感を活用して卓越性を実現することだ。心理的安全性を構築しながら基準を引き上げることで、従業員は平均以上の成果を生み出すための自信と許可を得られる。共感を持ってリードすることは、基準を下げることを意味しない。むしろ基準をさらに高く設定しながら、チームがそれを乗り越えるために必要なサポートを提供することなのである。

forbes.com 原文

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