経営・戦略

2026.03.13 11:51

非営利組織が陥る4つのパターン、その根底にある1つの問題

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非営利組織の内部で、あるいは非営利組織と伴走しながら20年以上働いてきた。とりわけ財務的なストレスに直面している組織や、抜本的な立て直し局面にある組織に関わる中で、ある種のパターンが驚くほど一貫して繰り返されるのを見てきた。

いま私が目にしている4つのパターンを挙げる。いずれも中核に同じ問題を抱えている。

1. 小規模な組織ほど会議が増える(減るのではなく)

直感に反するが、非営利組織は規模が小さいほど、委員会や理事会の会議が多くなる傾向がある。これはたいてい職員のキャパシティが限られていることに由来する。職員数が少ないと、ガバナンスとマネジメントの境界が曖昧になりやすい。理事が善意で手伝いに入り、やがて職員の延長のような存在になっていく。

問題は構造にある。理事の数が少ないと、同じ人が複数の委員会を兼ねることになる。職員は財務、執行、監査、理事会本会議といった場で、同じ情報を繰り返し説明する羽目になる。月に何度も同じことを伝えた末に、結局何も決まらないことさえある。結果として、会議過多、準備疲れ、そしてすでに手一杯のチームから時間を大量に奪う事態が生まれる。

私は、この悪循環を断ち切るよう各組織に常々促している。意思決定権限を明確にした、回数を絞り込んだ設計の良い会議は、量で押すやり方をほぼ確実に上回る。

2. 変化の局面では、締め切りが官僚主義を断ち切る

組織が大きくなるほど、官僚主義は増える。官僚主義があると、スケジュールの衝突が起こり、関係者が増え、意思決定の前に「相談すべき人」のリストが際限なく拡大していく。

立て直しの現場では、締め切りは交渉の余地がない。だからこそ、優先順位付けのために明確なタイムラインが重要だ。これにより、課題が無限に先送りされることを防げる。実際の制約によって意図せず先送りされる場合もあれば、議論が難しいために意図的に先送りされる場合もある。

締め切りはシグナルとしても機能する。人々にこう伝えるのだ。「この変化に影響を与えたいなら、いまがその時だ」。機会を逃せば、意思決定はあなた抜きで進む。その明確さは、予定表を見直させ、組織の惰性を断ち切るうえで驚くほどの効果を発揮する。

3. 財団は助成先と見込み先を「基礎的ニーズ」と「生活の質」に静かに分類し始めている

しばしば、時に蔑称的に「必須」と「非必須の非営利」と表現されるものは、基礎的ニーズと生活の質として捉える方が適切である。どちらも慈善であり、どちらもコミュニティを強くする。だが、資金調達の不確実性と政府の後退が進む環境下で、資金提供者は、普遍的に認識されるニーズに直接対応する組織を優先している。具体的には、食料、医療、住居、水、衣料である。

芸術、市民としての誇り、環境の保全、園芸、コミュニティの暮らしといった領域で活動する組織が消えるわけではない。しかし、伸びているのは、自らのインパクトを基礎的ニーズの成果へと翻訳できる組織だ。例えば「芸術は人権である」と主張すれば達成できる話ではない。その議論はすでになされ、資金提供者の多くは概ねそこを通り過ぎている。私が最も有効だと見ているのは統合である。

強力な例がある。ニュージャージー州のある芸術機関は最近、州内の医療提供者と提携し、医師が孤独、うつ、関連する健康状態に対処する手段として、文字どおり文化イベントへの参加を処方できるようになった。その費用は保険で償還される。これにより、芸術参加は抽象的な善ではなく、公衆衛生上の介入として再定義される。

4. 長期在職者の報酬が既得権益の罠になっている

ほどくのが最も難しいパターンの1つが、報酬の硬直化である。多くの非営利では、数十年前に市場水準に見合った給与で入職した職員が、同じ役割または類似の役割に留まりながら、毎年3%の生活費調整や業績評価による昇給を、年々積み上げて受け続けている。

現在では、こうした役割の多くが、実際に担っている業務に対して市場水準を大きく上回っている。同時に、組織知の蓄積が防護壁となり、変化がリスクのように感じられる。彼らは悪人ではない。多くは献身的で勤勉な人々だ。しかし私は、この仕組みが、効率を改善するインセンティブ、プロセスを見直す動機、役割を進化させる圧力を取り除く方向に働きやすいと考えている。

非営利組織では、インセンティブ報酬が禁止されていると誤解されがちだが、禁止ではない。主な制約は、集めた資金に直接ひもづくコミッションにのみ適用される。それ以外では、インセンティブ報酬、特に組織の業績に連動する形のものは、全面的に認められている。

私は最近、数年前に退職金のマッチング拠出を廃止していた組織と仕事をした。状況が改善し始めた際、無条件で復活させるのではなく、リーダーシップは、組織全体の収益目標を連続する年で達成することに復活をひもづけた。達成すればマッチングは復活し、より高いベンチマークを満たせばさらに引き上げるという設計である。

これにより、全員が当事者となった。そして、かつてはリーダーシップへの反対の声が最も大きく、寄付者やプログラムの受益者に対して「自分が働いている組織に関わらない方がいい」と言っていた人々も、もはや問題にならなくなった。この種の仕組みがあれば、脅しによってではなく、インセンティブがようやく成果と一致することで、パフォーマンスは改善し得る。組織内で最も否定的な人々も、誰かにその機関と取引しないよう言うことを思いとどまる。機関に損害を与えるだけでなく、自分の財布にも響くからである。

共通する課題

これら4つの観察を結びつけているのは、同じ根底の問題である。ガバナンスとマネジメント、緊急性とプロセス、ミッションと資金提供の論理、報酬とパフォーマンスの不整合だ。

この局面を最もうまく乗り切っている組織は、そうした不整合を大きな声で名指しし、それを前提に再設計する意思を持つ組織である。

forbes.com 原文

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