経営・戦略

2026.03.13 09:11

CFOが2026年に注力すべき3つの投資先──人材、テクノロジー、信頼

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財務リーダーたちは今年、見慣れた現実に直面している。不確実性は和らぐ気配がないのだ。しかし、経済面・業務面のプレッシャーが変化し続ける一方で、長期的なレジリエンス(回復力)を生み出す根本要因は明確なままである。CFOにとっての問いは、組織が自信をもって前進できるよう、どこに投資とリーダーシップのエネルギーを集中させるべきかということだ。

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私の会社では、持続可能な成功は単発の施策で得られるものではないと学んできた。それは、働き方、顧客への提供価値、そして次に何が起きても備えられる状態を強化する領域への、継続的な投資から生まれる。私たちの場合、その中心にあるのは3つのテーマ──人材、テクノロジー、信頼である。

1. 人材:人への投資がビジネスの基本戦略である理由

自動化が財務とビジネスの在り方を変え続けるなかでも、パフォーマンスを動かす原動力は人である。最も有能なCFOは、人材を「抑えるべき予算圧力」ではなく、時間とともに複利的に価値を増す資産として捉えている。

私の会社では、協働型のワークスペースから専用のウェルビーイング(心身の健康)エリアまで、健康とつながりを支える環境づくりに長年投資してきた。これらの選択は見た目のためではない。生産性、定着率、文化への意図的な投資であった。

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新しい世代が労働市場に参入するにつれ、このアプローチはさらに重要になる。若い従業員はますます価値観主導型になっており、組織が責任を持ち、透明性を保ち、目的を持って運営されることを期待している。これは当社が創業当初から大切にしてきた理念でもあるが、同時に私たちは、より良くあるため、そして正しいことを行うために、常に改善を自らに課している。

2026年、財務リーダーはリスキリング、キャリア開発、柔軟な働き方のモデルに注力する必要がある。だが同じくらい重要なのは、財務戦略が、私たちが築きたい文化を反映していることを確実にする点である。人は、価値を認められ、支えられ、成長できると感じられる場所に残る。そして、それを可能にするうえでCFOは直接的な役割を担っている。

2. テクノロジー:効率と洞察を生むためにテクノロジーを活用する

テクノロジーは、業務の俊敏性を支える最大の推進力の1つであり続ける。しかし、優先順位は変わりつつある。もはや何を導入するかではなく、より良い意思決定と、従業員・顧客体験の強化を支える形で、いかにうまく統合できているかが問われている。

私の会社では、AIが定型業務を自動化し、チームが高付加価値のやり取りに集中できるよう支援している。目的は「できるようにすること」にある。このブレンドされたハイブリッド・アプローチにより、ブランドを特徴づけるパーソナルなサービスを失うことなく、効率性を確保できる。

CFOにとっての問いは「どのテクノロジーを買うべきか?」ではなく、「どのテクノロジーが、人がより良く、より速く意思決定する助けになるか?」である。適切なツールは摩擦を減らし、可視性を高め、事業全体の余力を引き出す。不適切なツールは、明確さをもたらさないままコストだけを増やしかねない。

3. 信頼:不確実な市場における最も価値ある通貨

信頼は、顧客、投資家、従業員のいずれにとっても、事業の健全性を示す最重要指標の1つであり続ける。そして、それを築くうえで財務部門は特有の影響力を持つ。

報告における一貫性、透明性、誠実性は不可欠である。特にESG、データプライバシー、ガバナンスに関する期待が高まり続けるなかではなおさらだ。私の会社の財務判断は常に、価値観に根差している。明確な根拠、責任ある投資、そして人と顧客への提供価値を長期視点で捉える姿勢である。

この観点はテクノロジーのガバナンスにも適用している。例えば、新しいAI受付を導入するにあたり、財務部門は技術チームと連携し、社内外の双方に対してデータ利用の透明性を確保した。こうしたガードレールは、新興技術をどのように使うかという点での信頼を強化する。

いったん信頼が損なわれれば、それを再構築するコストは財務面でも文化面でも大きい。それを守ることは、現代のCFOリーダーシップにおける中核的責務であり続けなければならない。

今後に向けて

人材、テクノロジー、信頼はトレンドではない。企業が適応し、成長する力を形づくる長期的なコミットメントである。いまCFOの役割は、予算を通じてだけでなく、影響力とリーダーシップを通じて、これら各領域にまたがっている。

人への意図的な投資を行い、意味のあるテクノロジーでチームを武装し、最高水準の透明性を維持することで、組織がレジリエントであり続け、存在感を保ち、来るべき年に備えられるよう支援できる。最終的に、これらは単なる投資ではない。ビジネスを成功へ導く能力そのものである。

ここで提供する情報は、投資、税務、または財務に関する助言ではない。自身の状況に関する助言については、有資格の専門家に相談すべきである。

forbes.com 原文

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