キャリア・教育

2026.04.08 15:00

「静かな退職」が問題ではない、それを生む「静かなマネジメント」こそが問題だ

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経営幹部が見落としている「隠れたコスト」

経営幹部は、静かなマネジメントが実際にどれほどのコストをもたらしているかを過小評価している。ギャラップの推計によると、この「エンゲージしていない」状態が、毎年およそ8兆9000億ドル(約1420兆円)の生産性損失を生み、世界のGDPの約9%に相当する。また研究は繰り返し、チームのエンゲージメントの70〜80%が従業員ではなくマネジャーに直接起因することを示している。それでも責任は従業員に押し付けられたままだ。

悔いの残る高コストな離職が増え、重要な締め切りは守られない。重要プロジェクトや施策は、リーダーが「最近の人はそこまで働きたがらない」と語る一方で、最後まで完走できない。生産性は下がり、失いたくない人材ほど静かに次を探し始める。

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高い成果を出す人材が、怒って席を立つことはめったにない。彼らは履歴書を更新し、リクルーターからの電話に応じ、期待値が明確でリーダーが現場にいる組織からのオファーを受ける。その間、日々の責務への関与を少しずつ下げていく。

一方で企業は、また新たにエンゲージメント調査を実施し、時折のスポットボーナス、ウェルネスプログラム、各種の福利厚生といった「従業員を直す」取り組みに資金を投じる。しかし真の原因である、毎年何百万ドル(何億円)もの価値を外に漏らす弱いリーダーシップ行動を無視している。

静かなマネジャーを見つけるのにリストは必要ない。あなたはすでに誰のことかわかっているはずだ。そして、あなた自身がそうである可能性もある。

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経営幹部としての役割、マネジャーを立て直せ

最終責任はあなたにある。マネジャーには手を付けないまま、「従業員の再エンゲージメント」を目的としたプログラムに資金を出すのはやめるべきだ。人事責任者が新たな従業員調査の実施を提案してきたら、断る勇気を持とう。代わりに人事と連携し、自社のリーダー層を監査して、社内の静かなマネジャーを明確に特定することだ。

そのうえで、リーダーが発信量を増やせるよう、コーチングと研修に投資する。

忘れてはならない。静かな退職は、福利厚生や追加報酬では終わらない。リーダーが沈黙をやめたときに初めて、終わりを迎えるのだ。

forbes.com 原文

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