経営・戦略

2026.03.12 16:00

米マクドナルド、「3ドル」メニューを導入へ 低所得層の顧客離れに対応か

マクドナルド(refrina / Shutterstock.com)

マクドナルド(refrina / Shutterstock.com)

米マクドナルドは近く、割引メニューやより安価な朝食のセットを開始する見通しだ。インフレの影響を受け、従来は手頃とされてきた外食の選択肢から締め出されつつある低所得層の顧客をつなぎ留めようと、全米のファストフード各社が「お得感」を打ち出す動きが強まっている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、マクドナルドは3ドル(約480円)以下の商品を導入する予定だという。この情報は、割引施策に関する協議の内容を知る匿名の関係者の話として報じられた。

価値訴求の強化には4ドルの朝食セットも含まれるという。同紙は、新商品は4月に投入されるとし、朝の時間帯の提供商品では低所得層の顧客の減少幅が最も大きかったと指摘している。

4ドルのセットは、マックマフィン、ハッシュポテト、コーヒーといった選択肢を含む。3ドル以下のメニューには、ソーセージビスケットやチキンマックナゲット4ピースなどが入り、「1つ買うと1ドルで1つ追加できる」メニューに代わるものとなる。

今回の動きは、マクドナルドが9月に「エクストラ・バリュー・ミール」を再投入してから数カ月後のことだ。同社は、ハッシュポテトとスモールコーヒーが付く5ドル(約800円)の「ソーセージマックマフィン エッグ」セットや、ミディアムのフライドポテトとミディアムドリンクを含む8ドル(約1270円)のビッグマックセットを提供していた。

マクドナルドが直近四半期に計上した売上高は70億ドル(約1兆1100億円)であり、米国の既存店売上高は6.8%増となった。同社はエクストラ・バリュー・ミールの再導入が業績にどの程度貢献したかは明らかにしていないが、来店客向けの節約オプションをさらに取り込もうとしていることから、これらの施策が成功を収めた可能性がある。

ファストフード各社で低所得層の客足が減少

マクドナルドは、直近の数四半期で低所得層の来店客が減少した複数のチェーンの一社だ。昨年、チポトレのスコット・ボートライトCEOは、世帯年収が10万ドル(約1590万円)未満の世帯(チポトレの総売上の約40%を占める)が外食の頻度を落としていると述べ、なかでも25〜35歳の層で落ち込みが最も大きかったという。

マクドナルドと同様に、米ウェンディーズも昨年、朝食の売上が減少した。ケン・クックCEOは投資家に対し、「消費者の先行き不透明感が増し、消費者がもう1食を自宅で取ることを選ぶと、まず朝食でそれが起きることが多い」と語った。

マクドナルドは2025年1〜3月期に、米国の既存店売上高が3.6%減少した。低・中所得世帯の来店が10%減ったことが一因だった。2019年から2024年にかけて、同チェーンのメニュー1品あたりの平均価格は40%上昇しており、マクドナルドはこれが賃金上昇やコスト増、食材高への対応と整合すると説明している。

クリストファー・ケンプチンスキーCEOは第3四半期決算説明会で、低所得層の来店客の減少が業界全体で「ほぼ2桁」に達したと述べ、食料品や衣料品の価格上昇が「彼らの見通しや心理、支出行動に影響している」と指摘した。しかし、こうした課題にもかかわらず同チェーンは一定の成果を上げており、ケンプチンスキーCEOによると、第4四半期の売上成長率は5.5%増を記録し、2025年のシステム全体の売上高は1400億ドル(約22兆3000億円)に達している。

forbes.com 原文

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