フォーブスは米国時間3月10日、「世界長者番付(World’s Billionaires List)」2026年版を発表した。
本稿で紹介するのは、その中でも純資産が1000億ドル(約15.9兆円)を上回る富豪「センチビリオネア」だけをまとめた、いわば「1000億ドルクラブ」だ。センチビリオネアの数は、今回の2026年版では過去最多の20人に達した。約10年前の人数はゼロだったが、「1000億ドルクラブ」2025年版では15人に増加してしていた。
この20人のセンチビリオネア「1000億ドルクラブ」の総資産は3.8兆ドルに達し、2025年より約1兆4000億ドル(約222.6兆円)増加した。世界には3428人のビリオネアがおり、人数だけを見るとこの20人という数の割合は0.6%にすぎない。しかし資産額の上では、「1000億ドルクラブ」はビリオネア全体の19%を占めている。
「1000億ドルクラブ」の頂点に立つのがイーロン・マスクだ。この1年で次々と記録を塗り替えた彼の資産は、2025年10月に史上初めて5000億ドル(約79.5兆円)を突破し、2025年12月には6000億ドル(約95.4兆円)と7000億ドル(約111.3兆円)の大台を相次いで超えた。マスクの資産は、2026年2月にスペースXとxAIを合併させ、統合後の企業価値を1兆2500億ドル(約198.8兆円)に引き上げたことで、8000億ドル8000億ドル(約127.2兆円)を突破した。2026年後半の同社のIPOが成功すれば、彼は世界初の資産が1兆ドルを超える富豪になる可能性がある。
この規模の資産は、つい最近まで想像すらできないものだった。フォーブスが1987年に初めて公表した「世界長者番付」で、資産が100億ドル(約1.6兆円)を超える人物は2人しかいなかった。ドットコムバブル期の1999年にはビル・ゲイツの資産が一時的に1000億ドル(約15.9兆円)を突破したが、次にこの水準に達したのは2017年のジェフ・ベゾスだった。
アマゾン創業者のベゾスは2020年、史上初めて資産が2000億ドル(約31.8兆円)を超えた人物となった。現在、この水準を超える資産を持つ富豪は5人に増えており、2025年の3人から拡大している。ただし、これまで資産が3000億ドル(約47.7兆円)を上回った人物は、マスクを除けばオラクル共同創業者のラリー・エリソンだけだ。エリソンの資産は2025年9月に一時4000億ドル(約63.6兆円)を突破したが、その後の6カ月で1900億ドル(約30.2兆円)まで減少した。
この規模の資産は簡単には減らない。「世界長者番付」2025年版で「1000億ドルクラブ」に入っていた人物は、2026年も全員がその座を維持している。「世界長者番付」2026年版では、新たに5人が「1000億ドルクラブ」に加わった。ロレアルの相続人フランソワーズ・ベタンクール・メイエール、バイナンス創業者のチャンポン・ジャオ、メキシコの通信王カルロス・スリム・ヘル、エヌビディアのジェンスン・フアン、そしてテック業界の大物マイケル・デルだ。
「1000億ドルクラブ」に迫るビリオネアは、他にもいる。インドの実業家ムケシュ・アンバニ(推定資産997億ドル[約15.8兆円])、ステーブルコイン企業テザーの会長ジャンカルロ・デヴァシーニ(同893億ドル[約14.2兆円])、米インタラクティブ・ブローカーズの創業者トーマス・ピーターフィー(同829億ドル[約13.2兆円])、そしてコーク・インダストリーズの相続人ジュリア・コーク(812億ドル[約12.9兆円])などが、1000億ドル(約15.9兆円)の大台に近づいている。
以下に、「1000億ドルクラブ」2026年版の20人を、資産額の少ない順で掲載する(金額は、2026年3月1日時点の推定値)。



