増大するポーランドの防衛費
ポーランドは昨年、サイバーセキュリティーに40億ズロチ(約1700億円)以上を割り当てた。これは同国史上最大の投資となる。これにより、国庫には大きな負担がかかることとなった。同国の今年度の予算赤字は国内総生産(GDP)比6.3%と予測されており、欧州連合(EU)の上限である3%を大幅に上回っている。
同国のドナルド・トゥスク首相は「わずかな赤字でポーランドの国境を守ることはできない」として、今年度の防衛予算を過去最高の2000億ズロチ(約8兆6500億円)に引き上げることを擁護した。これはGDPの4.83%に相当し、NATOの最低基準である2%の倍以上となり、米国の3.2%をも上回る水準となる。ポーランドの支出規模は、米国のドナルド・トランプ政権が欧州のNATO加盟国に対して浴びせている「ただ乗り」批判に対抗するのに一役買うだろう。
ドゥビエルは、ロシアの予測不可能な論理によって計画が複雑化していると指摘する。多くの安全対策は「見せかけの強さ」であり、攻撃が発生する前に抑止することを目的としている。「残念ながら、これは軍備拡張とそれに伴う支出増の悪循環を助長し、本来であれば同様に重要な社会目標に充てられるはずだった資金を浪費することになる」
この予算の約40%は、税収ではなく債務によって賄われる。ポーランド国家開発銀行(BGK)が管理する軍事支援基金を活用したこの「二重軌道」の資金調達により、同国は憲法上の債務制限とEUの財政的制約を回避し、迅速に装備調達資金を確保することができる。
他方で、この軍備増強の「輸入依存度の高さ」が懸念を引き起こしている。ポーランドのウカシェビチ研究ネットワークは、米国や韓国から「既製品」の軍事装備を輸入することで、ポーランドは軍民両用の技術革新を逃すリスクがあると警告した。
こうした圧力を緩和するため、同国は現在、EUの欧州安全保障行動(SAFE)に目を向けている。1500億ユーロ(約27兆6000億円)規模の共同融資枠組みであるSAFEは、防衛投資の資金調達と欧州の軍事産業基盤強化を目的としている。主要受益国として、ポーランドはSAFE資金を活用し、調達を国内と欧州共同製造に再調整することで、財政圧力を緩和しつつEU防衛市場との統合を深めることができる。
ロシアの脅威は欧州全体に
ポーランドの闘いは欧州の先駆けとなる。イタリア外務省へのサイバー攻撃から、ドイツで記録された数百件の社会基盤破壊行為に至るまで、ロシアの脅威は西側の社会を分断しようとしている。
先月14日にドイツで開かれたミュンヘン安全保障会議で、英国のキア・スターマー首相はこれらの破壊行為を「われわれの社会秩序を引き裂くもの」と非難した。ロシアはメッセージアプリを通じて第三国の国民を勧誘し、こうした行為を実行させることで否定の余地を残しつつ、欧州全域で社会的摩擦を最大化し、安全保障費を増大させている。


