米労働統計局が現地時間3月11日に発表したデータによると、燃料コストの上昇にもかかわらず、2月のインフレ率は予想を下回る結果となった。このデータは、米国によるイラン攻撃が石油とガソリン価格の高騰を招き、消費者物価を押し上げるとの懸念が強まる前の物価を示している。
2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.4%の上昇、前月比では0.3%の上昇となった。ファクトセットがまとめた市場予想である2.5%の上昇をわずかに下回った。
変動の激しいエネルギーと食品を除いたコアCPIは前年同月比で2.5%の上昇となり、こちらは市場予想通りとなった。
燃料油価格は前月比で11.1%上昇し、労働統計局が追跡する全項目の中で最大の上げ幅を記録した。また、公共ガスサービスは前月比で3.1%の上昇、過去12カ月間では約11%の上昇と、同期間で最大の伸びを見せた。
衣料品価格は前月比で1.3%の上昇、前年同月比では2.5%の上昇となり、2023年10月以来の高水準となった。食品価格は前年同月比3.1%の上昇、映像・音声機器は過去最高の同4.5%の上昇を記録した。
モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのチーフ・エコノミック・ストラテジストを務めるエレン・ゼントナーは、予想を下回るインフレ指標について、「平時であれば歓迎すべきデータだが、地政学的な不確実性と原油価格の急騰という現在の背景を考えると、市場や連邦準備制度理事会(FRB)にとって、それほど大きな意味を持たない可能性がある」と述べた。
また、石油備蓄放出の可能性は残されているものの(編集注:11日、IEA加盟国は計4億バレルの石油備蓄放出で合意した)、「不確実性の継続」が原油価格の「継続的な上昇リスク」を招いており、これが「FRBが利下げに対して慎重な姿勢を維持することに繋がる」と付け加えた。
FRBがインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)物価指数は、13日に経済分析局から発表される予定だ。この報告には、政府閉鎖により発表が延期されていた1月のデータも含まれる。
米連銀のニール・カシュカリ総裁とベス・ハマック総裁は、イラン戦争が米国経済にどのような影響を与えるか判断するのは「時期尚早」との考えを示した。開戦前は経済見通しに「大きな自信」を持っていたカシュカリだが、エネルギー価格がインフレに波及するかが分からず、利下げの判断についても不透明だとしている。
1月までの12カ月間でエネルギーコストは6.3%上昇し、先週には国際原油指標の北海ブレント先物と米原油指標のWTI先物が2022年以来で初めて100ドルを突破した。また、イラン当局は、戦争が続けば原油価格が200ドル(過去最高値は2008年の147ドル)に達する可能性があると警告している。




