北米

2026.03.12 09:00

米イラン軍事作戦、戦費1日最大3200億円か 開始2日で弾薬費8900億円

アラビア海上に展開する米海軍のニミッツ級空母エイブラハム・リンカーンの飛行甲板上で弾薬を移送する米兵。2026年2月27日撮影(U.S. Central Command, Public domain, via Wikimedia Commons)

トランプ政権には追加予算が必要だが…

CSISによると、対イラン軍事作戦に費やされている資金の多くはまだ米軍の予算に計上されていないため、トランプ政権は米連邦議会に追加の国防予算を要請しなければならない可能性が高い。国防総省が具体的にどれだけの額を要求し、どれだけ獲得できるかは不明だ。ポリティコによれば、共和党内にも戦費の増大を懸念する声がある。

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共和党指導部は追加予算の可決に消極的だ。マイク・ジョンソン下院議長(共和党)は先週、500億ドル規模とされる追加予算案について「ホワイトハウスと国防総省からの説明待ちだが、対話はオープンに行っている」とした上で、議会は「適切な時期に適切な形で」承認するだろうと述べた。

米軍の対イラン軍事行動「エピック・フューリー作戦」で、ニミッツ級空母USSエイブラハム・リンカーンから離陸するF/A18E「スーパーホーネット」。2026年2月28日撮影、米海軍提供写真(U.S. Central Command, Public domain, via Wikimedia Commons)
米軍の対イラン軍事行動「エピック・フューリー作戦」で、ニミッツ級空母USSエイブラハム・リンカーンから離陸するF/A18E「スーパーホーネット」。2026年2月28日撮影、米海軍提供写真(U.S. Central Command, Public domain, via Wikimedia Commons)

トランプ2期目就任後、かさむ米軍の軍事コスト

第2次トランプ政権発足後、米国は今回の攻撃に踏み切る前に、すでにイランでの作戦に数十億ドルを投入していた。米ブラウン大学の「戦争のコスト」プロジェクトは2025年10月時点で、イランにおける米軍事作戦の費用について、昨年6月のいわゆる「12日間戦争」におけるイラン空爆も含めて20億~22億5000万ドル(約3200億~3600億円)と推計している

今年に入って中東における米軍の存在感はさらに拡大しており、ウォール・ストリート・ジャーナルは2月18日、直近数週間で中東に派遣された米軍機が2003年以来最多となったと報じていた。

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また、イラン攻撃に先立って米軍はベネズエラ近海に展開したが、CSISはこれに1日あたり約3100万ドル(約49億円)の費用がかかったとみている。ブルームバーグの2月の報道によれば、ベネズエラ関連作戦にかかった米軍の総コストは30億ドル(約4800億円)を超えた可能性が高い。

「戦争のコスト」プロジェクトの推計では、米国が中東で2023年10月~25年9月に費やした資金は315億~337億ドル(約5兆~5.4兆円)に上る。これにはイスラエルへの軍事援助の他、イラン、イエメン、中東全域での作戦が含まれる。

さらに、軍事作戦の費用は米イラン戦争にかかる総コストと経済的影響の一部にすぎない。すでに今回の作戦は石油・天然ガス価格の急騰につながり、旅行費用の高騰やインフレ加速の脅威となっている。ガソリン価格の上昇が続けば、すでに苦しい一般家庭の家計を直撃するだろう。

この戦争ではイスラエルとイランも数百万ドル規模の軍事支出を行っており、計り知れない人的被害をももたらしている。イランでは10日時点で1200人以上の死者が報告されており、中央軍によれば少なくとも7人の米軍兵士が戦死した。イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーンなど中東諸国でも、空爆により複数の死者が出ている。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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