北米

2026.03.12 09:00

米イラン軍事作戦、戦費1日最大3200億円か 開始2日で弾薬費8900億円

アラビア海上に展開する米海軍のニミッツ級空母エイブラハム・リンカーンの飛行甲板上で弾薬を移送する米兵。2026年2月27日撮影(U.S. Central Command, Public domain, via Wikimedia Commons)

増える米納税者負担額、最新の試算内訳

対イラン軍事作戦で最大の支出を伴っているのは武器弾薬だ。米超党派の外交・安全保障シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)は、開戦後100時間で31億ドル(約4900億円)が兵器に費やされたと推計。その後も1日あたり7億5800万ドル(約1200億円)の兵器コストがかかり続けていると試算している。

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中東で使用されている弾薬の数量は不明だが、少なめに見積もっても数百万ドル相当に上るとみられ、CSISによればこの費用はまだ米軍の予算に計上されていない。一方でCSISは、紛争が長引くにつれてコストは下がるだろうとも指摘している。ピート・ヘグセス米国防長官は、初期に高性能兵器による集中攻撃を実施した後、米軍はより安価な弾薬の使用に切り替えると述べている。

• 200万~360万ドル(約3.2億~5.7億円):トマホーク巡航ミサイル

米軍が攻撃に使用しているとされるトマホークミサイル1発あたりの発射コストについて、ニューヨーク・タイムズは200万ドルかかるとしているが、CSISは360万ドルとより高額な試算を出している。

米海軍のミサイル駆逐艦トーマス・ハドナーから発射されたトマホークミサイル。2026年3月5日撮影。米海軍提供写真(U.S. Central Command, Public domain, via Wikimedia Commons)
米海軍のミサイル駆逐艦トーマス・ハドナーから発射されたトマホークミサイル。2026年3月5日撮影。米海軍提供写真(U.S. Central Command, Public domain, via Wikimedia Commons)

• 350万ドル(約5.6億円):自爆型攻撃ドローン×100機

米中央軍によると今回、米軍は多くの場面で製造コストの安価な使い捨ての「自爆型」ドローンを用いている。ドローン攻撃の回数はわからないが、CSISは少なくとも100機が使用されたと見積もっている。ブルームバーグはドローン1機の費用を3万5000ドルと報じており、大規模な標的攻撃のコストは標的1つにつき数百万ドル規模と推定される。

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カナダの無人機製造企業ドラガンフライのキャメロン・チェル最高経営責任者(CEO)は、イランの最高指導者ハメネイ師を殺害した2月28日の攻撃ではより高価な精密攻撃ドローンと有人機が併用されており、「おそらく数千万ドルが費やされた」との見方を示した。

• 1280万ドル(約20.3億円):高高度防衛ミサイル「THAAD」

米政治専門紙ザ・ヒルが引用した国防総省の文書によれば、この地上配備型ミサイル迎撃システムは、ミサイル1発あたりの価格が約1280万ドルだという。これまでに何発使用されたかは不明だ。

• 3000万ドル(約47.6億円):無人偵察・攻撃機MQ-9「リーパー」

米議会調査局(CRS)によると、このドローンの調達価格は1機あたり約3000万ドル。しかし、米CBSニュースは「敵に撃墜されやすい」のが欠点だと指摘しており、イランでも相次いで破壊され、多額の損失コストを生んでいる。

• 8万ドル(約1300万円):JDAM(統合直接攻撃弾)誘導装置

ヘグセスは、安価な「自由落下型」爆弾にJDAM誘導装置を取り付けて、命中精度の高い精密誘導弾として運用する方針を示唆した。CSISによれば、この誘導装置1つにかかる費用は8万ドルだという。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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