経営課題が明確である一方で、その解決を妨げる要因も浮き彫りとなっている。課題解決への障壁として最も多く挙げられたのが「人材・ノウハウ不足」だ。人材を強化したいという意欲はありながら、それを実行に移すための専門知識や適任者が社内に欠如しているという、深刻な矛盾が生じている。
また、企業規模によっても直面する課題の性質は異なる。例えば、小規模企業においては「資金繰り」を喫緊の課題とする回答が61.9%に達しており、大手・中堅企業と比較して、より直接的な生存リスクにさらされているのが実態だ。DXやAI活用といったデジタル化への対応についても、大企業と小規模企業の間で約30ポイントの格差が生じており、リソースの差がそのまま競争力の差に直結しかねない危うさを抱えている。

政府は現在、経営状況が悪化した企業への「早期再生支援」に加え、将来の成長を見据えた「成長支援」へと舵を切っている。企業には、単なる現状維持やコスト削減に終始するのではなく、外部の知見や支援制度を戦略的に活用し、社内のノウハウ不足を補完する決断が求められる。
今後の不透明な時代において、組織を持続的に成長させていくには、最優先課題である「人材強化」を軸に据えつつ、業務の標準化やデジタル投資を通じて、一人ひとりの生産性を最大化できる強靭な組織構造へと作り替える必要に迫られている。
出典:帝国データバンク「企業の経営課題に関するアンケート(2026年)」より


