天文ファンにとって壮観なショーまであと1カ月となった。太陽に向かって突進する彗星が、非常に明るく輝き、夕暮れ時に鮮やかな尾を見せ、日中でも観測できる可能性がある。
しかし、MAPS彗星(C/2026 A1)は2026年4月4日に天文学的に見ればごく近い距離──わずか約78万4000キロメートル──まで太陽に接近するため、強烈な熱と潮汐力によって破壊される可能性も同程度、存在している。
「サングレイザー彗星」とは
サングレイザー彗星とは、太陽から約137万キロメートル以内にまで接近する彗星を指す。MAPS彗星はクロイツ群のサングレイザー彗星であり、数世紀前、より大きな彗星が太陽に近づきすぎて分裂したと考えられているその破片だ。NASAによると、その残骸(さまざまな大きさの小彗星からなる一群)は、NASAの探査機SOHOが観測するサングレイザー彗星の85%を占めている。それらはすべて同じ軌道上の「高速道路」を通る。近年で最もよく知られるクロイツ群のサングレイザー彗星は、2011年12月15日に最も明るくなったラブジョイ彗星だ。
クロイツ群のサングレイザー彗星は太陽の近くで劇的に増光することが多いが、多くは崩壊して二度と姿を現さない。現時点では、MAPS彗星(C/2026 A1)の運命は不明だ。
MAPS彗星はいつ発見されたのか
MAPS彗星(C/2026 A1)は2026年1月13日、チリでアマチュア天文学者チーム「MAPS」によって発見された。発見時は18等級の天体で、Sky & Telescope誌によると、3月中旬に約13等級まで増光するまでは、口径20〜25センチのアマチュア望遠鏡では観測できないと予測されている。
MAPS彗星の観測時期
超高輝度になるかどうかにかかわらず、MAPS彗星(C/2026 A1)は北半球からの観測が難しいだろう。最も明るくなると予想される2026年4月4日頃には、中緯度地域では西の空のかなり低い位置にある(双眼鏡が役に立つ)。彗星を観測する最良の機会は日没後30〜45分だ。太陽への接近を生き延びれば、数晩にわたって観測可能かもしれないが、薄明の中で急速に低く沈み、見つけにくくなっていく。
増光する場合、その原因は強烈な太陽放射による氷の気化であり、薄明の中でも見える壮観な尾を生み出す可能性がある。しかし、強烈な太陽放射はもろい彗星を引き裂くこともある。MAPS彗星が無事に生き残るか、急速に暗くなるかによって、どれほど印象的な(あるいは存在しない)光景になるかが決まる。



