ダニン・チャラワノン氏とその一族が支配するチャロン・ポカパン(CP)グループ傘下のCPアクストラは、マレーシアのスーパーマーケットチェーン運営会社ザ・フード・パーベイヤーを17億リンギット(約4億2000万ドル)で買収する。バンコクに拠点を置く同小売業者は、東南アジア全域での事業基盤強化を目指している。
バンコクのブアルアン証券の投資ストラテジスト、ピリヤポン・コングワニッチ氏は「この買収により、CPアクストラは地域プレーヤーとしての地位を高めると同時に、マレーシア小売市場の高価格帯セグメントを取り込むことができる。同社の既存店舗は主に中・低価格帯に注力しているためだ」と述べた。
ザ・フード・パーベイヤーは、ビレッジ・グローサー、B.I.G.、BSCファインフーズ、OTK、ザ・フード・マーチャントなど複数のブランドでマレーシア全土に50店舗を展開している。バンコク上場のCPアクストラは、タイ証券取引所への提出書類で、規制当局の承認を条件に今年第4四半期に買収を完了する見込みだと発表した。
今回の買収提案は、CPアクストラが最近発表した東南アジア全域での店舗網拡大計画に続くものだ。同社は180億バーツ(約5億7800万ドル)を投じ、タイ、マレーシア、フィリピンで計110店舗を新規出店する計画を打ち出している。
卸売チェーン「マクロ」とスーパーマーケットチェーン「ロータス」を運営するCPアクストラは、昨年131店舗を新規出店した。この拡大により2025年の売上高は1.7%増の5207億バーツとなったが、小売業界での競争激化による利益率低下を受け、純利益は11.5%減の94億バーツにとどまった。消費支出の鈍化に加え、カンボジアとの国境紛争の影響も業績に響いた。
1988年設立の同社は、2025年時点で東南アジアとインドの80店舗を含む計2678店舗を展開していた。CPグループは世界最大級の飼料・畜産企業であり、中国の保険大手・平安保険(ピンアン)、香港のコングロマリット・中信集団(CITIC)、タイの携帯キャリア・トゥルーにも出資している。資産額357億ドルのダニン氏ときょうだいは、タイで最も裕福な一族の1つに数えられる。



