サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は米国時間3月10日、ホルムズ海峡の封鎖に伴う原油供給の混乱が続けば、世界の石油市場に「壊滅的な結果」がもたらされると警告した。
ナセルCEOは「供給混乱が長引くほど世界の石油市場には壊滅的な結果がもたらされ、国際経済への打撃は深刻化するだろう」とした上で、過去にも混乱はあったが、今回は「中東地域の石油・ガス産業が直面した中で最大の危機だ」と指摘した。同CEOは、世界の石油在庫が「すでに5年ぶりの低水準にある」と述べ、中東の軍事衝突によって在庫が急減する可能性を示唆。「ホルムズ海峡での船舶の航行が再開されることが絶対に不可欠だ」と強調した。ナセルCEOはまた、先週の空爆後に発生した同社のラスタヌラ製油所の火災は鎮火され、同施設は間もなく操業を再開する見込みだと投資家に伝えた。
サウジアラムコは2025年の通期決算を発表し、調整後純利益が前年から5%以上減少し、約1047億ドル(約17兆円)になったと報告した。
米イスラエルとイランとの軍事衝突が続く中、原油価格は乱高下を続けている。国際指標の北海ブレント原油先物は9日早朝、1バレル120ドル近くまで上昇した後、ドナルド・トランプ米大統領がイランとの軍事衝突が終結に近づいていると示唆したことから急落し、90ドルを大きく下回った。しかし、その後も原油価格は不安定な動きを続け、10日早朝には約92ドルまで上昇した。一方、米原油指標のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は同日早朝、89ドルで推移した。
トランプ大統領は9日、自ら創設したSNSのトゥルースソーシャルへの投稿で、イランに対し「ホルムズ海峡で石油の流れを妨げる動きがあれば、米国はこれまでの20倍の力で攻撃する」と警告した。その上で、米国は「容易に破壊できる標的を排除し、イランが国家として再建されることを事実上不可能にする。死と炎と怒りがイランに降りかかるだろう」と続けた。トランプ大統領は、この脅しは中国と「ホルムズ海峡を頻繁に利用するすべての国」に対する米国からの贈り物だと述べた。
これに対し、イラン革命防衛隊のアリ・モハンマド・ナエイニ報道官は10日、次のように警告した。「イランは当面の間、この地域から敵対勢力とその同盟国への石油輸出を、たとえ1リットルたりとも認めない。石油・ガス価格の引き下げと抑制を試みても、一時的で効果のないものとなるだろう」



