ここ数カ月、教育からSaaS、テックプラットフォームまで、さまざまな業界・組織のリーダーや経営層と対話してきた。
そして毎回、一貫して同じ質問を投げかけている。「今後10年、AIの波に乗り、AIを上回るためにプロフェッショナルにとって最も重要なスキルは何だと思うか?」
返ってくる答えはほとんど同じだ。
・適応力
・学ぶ意欲と学習能力
・レジリエンス(回復力)と機動力
正直なところ、これらの答えは驚きではなかった。筆者はForbesの記事でこうしたテーマを繰り返し取り上げてきたし、世界経済フォーラムの「Future of Jobs」レポートやCourseraのスキルレポートといった業界を代表する報告書でも、同様のスキルが提案されているのを目にしてきた。
しかし数週間前、今後公開予定のポッドキャストの次のエピソードのためにAdobeのマーケティング&コミュニケーション担当バイスプレジデントであるステイシー・マーティネットにインタビューした際、彼女の答えは実際に筆者を驚かせた。
彼女は他の人のように学習、好奇心、機動力とは言わなかった。答えは何だったか。
「ストーリーテリング」だ。
スキルとしてのストーリーテリングがキャリアにもたらすもの
しばらく意表を突かれた。しかしすぐに、ストーリーテリングこそ最も息の長いスキルなのだと気づいた。
キャリアの段階を問わず、優れたストーリーテリングのスキルがあれば、次のことができる。
・取引をまとめる交渉ができる
・迷っている見込み客を納得させ、顧客へと転換できる
・昇給や昇進を引き出す交渉ができる
・リーダーシップへの信頼と自信を築ける
・最も難しい利害関係者からでさえ共感を得て、合意形成できる
・チームや同僚とつながりをつくれる
・高付加価値のビジネス機会やキャリア機会を獲得できる
コーチングの現場を振り返ると、次の段階の昇進・飛躍に向けて準備ができているリーダーやマネジャーに助言する際、このスキル、ストーリーテリングの欠如こそが足かせになっていることが多かった。
あなたにストーリーテリングのスキルはあるか?
ストーリーテリングのスキルが不足しているかを見極める簡単な診断を紹介しよう。
・履歴書が、達成した価値や独自性ではなく、退屈な職務内容や長い仕事内容の羅列になっている
・LinkedInプロフィールが履歴書のコピペになっている
・LinkedInの見出しが、肩書きと勤務先を繰り返すだけで終わっている
・自分のほうが有資格・経験豊富なのに、他の候補者との差別化に苦戦している
・チーム会議、全社集会、利害関係者との定例でスライドを提示すると、参加者が明らかに退屈そうで更新内容に関心がない
・チームが自分のビジョン、あるいは組織のビジョンに納得していない
・管理・調整しているパートナーや利害関係者の成果が上がらず、プロジェクト進行を止めかねない深刻な対立が起きている
・スタートアップのアイデアに投資家がまったくつかない
これらの状況に心当たりはあるだろうか。



