マーティネットは筆者にこう語った。
「ストーリーテリングは、人間の経験とのつながりによって生まれます。メールを書こうとしているときでも、グローバルなマーケティングキャンペーンをデザインしようとしているときでも、クリエイティブなプロセスは混沌としていて直線的ではなく、プログラム化することはできません。
AIはその過程のさまざまな段階で介入できますが、アイデアを生み出す能力、ストーリーを持つ能力を置き換えることはできません。そしてすばらしいストーリーは、経験、苦闘、ブレイクスルーから生まれるのです。世界から得るインスピレーションから」
つまり、生成AIを使ってメールをすばやく書いたり、LinkedIn投稿を生成したり、プレゼンを作ったり、更新事項のリストをまとめたりしても、ストーリーテリングのスキルがなければ、求めるインパクトは生まれない。
たとえば、財務データをそのまま提示するのは退屈だ。率直に言えば、グラフや数値、チャート、情報が詰め込まれたスライドは、頭に刺激を与えるものでも、楽しませるものでもない。
しかし同じデータをストーリーテリングのアプローチで提示してみてほしい。数週間後でさえ記憶に残るほど、どれほど魅力的で、インパクトがあり、印象的なプレゼンになるかがわかるはずだ。最も難しい利害関係者でさえ、こちらが望む行動へと動かされるところまでいく。
ストーリーテリングのスキルでAI対応の仕事を実現する方法
では、ビジネスやリーダーシップの現場で、ストーリーテリングは具体的にどのような形になるのか。
いくつかの指針を挙げよう。
・データは常に、自分の実体験、あるいはデータの利用者や対象となる人の視点・実体験と結びつける
・自分の弱さをさらすことを許し、動機、恐れ、痛点、思考プロセスを共有する
・STAR面接手法(Situation、Task、Action、Result)を使い、点と点をつないで語る
・自分のストーリー、または顧客、パートナー、同僚などのストーリーを創造的に織り込む方法を見つける
・証言(テスティモニアル)を用いて、チームの努力が報われていることを実感させ、鼓舞する
これにより、AIが模倣も代替もできない個性とつながりの層が加わる。
間違いなくストーリーテリングは、創業者であれ、マネージャー/リーダーであれ、次の機会を探すプロフェッショナルであれ、最も重要なコミュニケーションスキルである。


