中小企業のSEO管理やデジタル広告、ウェブサイト運営は、長年にわたり地元のマーケティング会社がその役割を担ってきた。しかし、AIによる自動化の波が、この構造を塗り替えつつある。ブルックリンを拠点とするスタートアップ「メガ(Mega)」は、AIエージェントのネットワークがマーケティングキャンペーンを自律的に実行することで、従来マーケティング会社が担ってきた業務フローの大半を代替できると主張する。同社はこのほど、消費者向けテック企業に特化したVC、グッドウォーター・キャピタルが主導し、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)、アトレイデス、シグナルファイア、カーニー・ジャクソンが参画したシリーズAラウンドで、1150万ドル(約18億2000万円)を調達したと発表した。
メガがターゲットに据えるのは、年商50万ドル~2000万ドル(約8千万円~32億円)規模のセグメントだ。こうした企業は、マーケティングに相応の予算を投じる一方で、社内に専任チームを持たないケースが多く、グーグル広告やSEO、SNSキャンペーンの運用を外部のマーケティング会社に委託しているのが実情だ。しかし、こうした外部委託のプロセスは往々にして手作業に依存しており、一貫性が欠如しがちである。また、キャンペーンの見直しも定期的な実施にとどまり、継続的な最適化が行われていない。
メガの創業チームがビジネスモデルに着想を得たのは、偶然の産物だった。コロナ禍で、彼らは対戦型ゲームプラットフォームを構築していた。トラフィックの増大と顧客獲得を狙い、自社製AIツールを用いた実証実験を開始したところ、すぐに従来のマーケティング手法を上回る成果を挙げたという。
共同創業者のルーカス・ペランは、当時の状況を次のように振り返る。「検索経由のオーガニックトラフィックは、月間1万クリックから100万クリックへと急増した。この成果を他の創業者たちに共有すると、自社でも活用できないかという相談が相次いだ」。こうした反響を受け、ペランらはゲームプラットフォームを閉鎖し、マーケティングソフトウェアの開発へとピボットする決断を下した。
メガのシステムは、SEOや広告運用、ウェブサイト更新などの各マーケティング機能を担う複数の専門AIエージェントで構成されている。各エージェントは、キーワード調査、コンテンツ作成、広告の最適化、キャンペーン分析といった特定のタスクを実行する。さらに、それらを統合する調整レイヤーがエージェント同士を連携させることで、あるツールで得られた情報が他のツールにも共有される仕組みとなっている。



