WOMEN

2026.03.24 13:30

2026年版フォーブスが選ぶ世界を変革する女性テックリーダー30人

革新的「触媒」、強いリーダーシップ 

野崎京子|理化学研究所理事、東京大学工学系研究科教授 

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のざき・きょうこ ◎1991年京都大学工学博士、助手、助教授を経て2003年より東京大学教授(現職)。24年より英国王立協会外国人会員、全米科学アカデミー国際会員を務める。25年より理化学研究所兼務。
のざき・きょうこ ◎1991年京都大学工学博士、助手、助教授を経て2003年より東京大学教授(現職)。24年より英国王立協会外国人会員、全米科学アカデミー国際会員を務める。25年より理化学研究所兼務。

事業・活動内容|京都大学にて、医農薬に代表されるファインケミカル合成のための分子触媒を、高分子(プラスチックや繊維など)の合成に応用。東京大学移動後は、再生可能資源、特に二酸化炭素や未利用バイオマスを有効利用するための触媒開発に従事。2021年よりJST ERATOプログラムにおいて、廃プラスチックの有効活用を目指し、4機関5チームを率いて樹脂分解プロジェクトを遂行中。国際的認知度も高く、2010年以降(2020年を除き)毎年10件以上、国際会議等での基調講演・招待講演をおこなっている。 

ロボットで認知症を防ぐ社会へ 

大武美保子|理化学研究所 チームディレクター、ほのぼの研究所 代表理事・所長 

おおたけ・みほこ◎東京大学工学部卒業、同大大学院工学系研究科博士課程修了、博士(工学)。東京大学助教授、千葉大学准教授などを経て、2017年より現職。著書に、『脳が長持ちする会話』(ウェッジ)。
おおたけ・みほこ◎東京大学工学部卒業、同大大学院工学系研究科博士課程修了、博士(工学)。東京大学助教授、千葉大学准教授などを経て、2017年より現職。著書に、『脳が長持ちする会話』(ウェッジ)。

事業・活動内容|認知症の祖母との会話をヒントに、2006年、認知症予防のための会話支援手法「共想法」を考案。これを用いて、のべ1万人超の会話を収集、分析。共想法に基づいた会話支援ロボットを開発し、ロボットが司会進行する会話による認知機能介入効果を世界に先駆けて検証。文部科学大臣表彰若手科学者賞、ドコモ・モバイル・サイエンス賞等受賞。行政や市民と共に研究を行い、リアルタイムで社会に展開するため、07年、“民産官学”研究拠点ほのぼの研究所を創設、翌年NPO法人化。認知症を防ぐ社会への変革に貢献している。 

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欧米以外で初、国際紫外線協会会長に 

小熊久美子|東京大学 大学院工学系研究科都市工学専攻 教授 

おぐま・くみこ◎博士(工学)。東京大学大学院工学系研究科、同大学先端科学技術研究センターなどを経て2023年より現職。基礎研究を社会へつなぐ橋渡し役として国内外の大学・企業と連携多数。技術の国際展開にも貢献。
おぐま・くみこ◎博士(工学)。東京大学大学院工学系研究科、同大学先端科学技術研究センターなどを経て2023年より現職。基礎研究を社会へつなぐ橋渡し役として国内外の大学・企業と連携多数。技術の国際展開にも貢献。

事業・活動内容|専門は環境工学。水の使い方・つくり方・配り方(水利用・浄水技術・水供給システム)を一体でとらえ、先進国から低中所得国、大都市から離島まで、幅広い地域で社会背景とニーズに即した水処理・水供給技術を提案している。紫外線LEDなどの新技術を活用した分散型水システムの有効性を示し、研究成果の一部は水道未普及の山間集落で実装済み。持続可能で包摂性の高い水供給の実現を目指す。ISO技術委員を務めたほか、技術の国際展開にも貢献。2025年、国際紫外線協会の次期会長に欧米以外から初選出。 

世界から期待される「エクソソーム」研究 

星野歩子|東京大学先端科学技術研究センター 教授、ST-AR Project 代表理事 

ほしの・あゆこ◎2011年東京大学大学院博士課程修了。米Weill Cornell大学Assistant Professorを経て、23年より東京大学先端科学技術研究センター教授。高校生研究室受け入れプログラムST-AR Project代表理事。
ほしの・あゆこ◎2011年東京大学大学院博士課程修了。米Weill Cornell大学Assistant Professorを経て、23年より東京大学先端科学技術研究センター教授。高校生研究室受け入れプログラムST-AR Project代表理事。

事業・活動内容|大学研究室にて、細胞間情報伝達を担うエクソソームの基礎から応用まで一貫した研究に従事。妊娠高血圧腎症やがん転移など、未だ有効な治療法が確立されていない病態において、エクソソームが臓器間・細胞間コミュニケーションを介して病態形成に関与する分子基盤を明らかにしている。2025年より、治療を必要とする人へ届けることを目指してスタートアップ活動を本格化。病態に関与するエクソソームを新たな治療標的ととらえ、医療機器および診断技術の開発を進め、基礎研究と臨床、事業化をつなぐ研究開発に取り組む。 

世界的なSTEM教育の推進に貢献 

江口愛美|カリフォルニア大学サンディエゴ校 准教授 

えぐち・えいみー◎児童発達学修士(パシフィック・オークス大学)、教育学修士(ハーバード大学)取得後、英国ケンブリッジ大学で教育学博士を取得。2019年からカリフォルニア大学サンディエゴ校で教鞭。
えぐち・えいみー◎児童発達学修士(パシフィック・オークス大学)、教育学修士(ハーバード大学)取得後、英国ケンブリッジ大学で教育学博士を取得。2019年からカリフォルニア大学サンディエゴ校で教鞭。

事業・活動内容|ケンブリッジ大学博士課程在学中、ソニーAIBOを通してロボカップを知り、ロボカップジュニアの立ち上げから運営に関わり、ロボカップ国際委員会理事、副会長を歴任。ロボット、AIテクノロジーを媒介としたプロジェクトベース学習(PBL)中心の研究を進め、全ての子どもたちが最適な学びを探し出せる教育を目指す。米国のAI4K12イニシアティブのアドバイザリー委員会メンバーとして、幼稚園から高校卒業まで段階におけるAI学習の指針となる包括的なガイドライン「5 Big Ideas in AI」開発にも貢献。 

学術リーダー、マイクロ流体診断の革新者 

エイミー・Q・シェン|沖縄科学技術大学院大学プロボスト、マイクロ・バイオ・ナノ流体ユニット教授 

エイミー・Q・シェン◎2014年より沖縄科学技術大学院大学(OIST)教授、22年10月よりプロボストを兼務。産業連携を通じ、医療応用を見据えたマイクロ流体バイオセンシングおよび診断プラットフォームの開発を推進。
エイミー・Q・シェン◎2014年より沖縄科学技術大学院大学(OIST)教授、22年10月よりプロボストを兼務。産業連携を通じ、医療応用を見据えたマイクロ流体バイオセンシングおよび診断プラットフォームの開発を推進。

事業・活動内容|沖縄科学技術大学院大学(OIST)でプロボストおよび教授を務め、マイクロ・バイオ・ナノ流体ユニットを率いる。大学の研究・教育戦略を担うプロボストとして、OIST独自のコアファシリティや研究基盤の強化を進め、日本と世界を結ぶ研究拠点としての役割を拡張。アメリカ物理学会、英国王立化学会、レオロジー学会のフェロー。フルブライト奨学生。研究者としては、医療分野への応用を見据えたマイクロ流体バイオセンシングおよび診断技術を、学術・産業界と協働して開発し、特許、発明開示、学術論文へとつながる成果を生み出している。 

ハダカデバネズミでヒトの健康長寿実現 

三浦恭子|九州大学 大学院医学研究院応用幹細胞医科学部門 長寿幹細胞医学分野 教授 

みうら・きょうこ◎2010年京都大学大学院医学研究科修了(博士〔医学〕)。山中伸弥(京都大学)、岡野栄之(慶應義塾大学)に師事。iPS細胞による脊髄損傷治療研究に貢献後、ハダカデバネズミ研究を主導。2児の母。
みうら・きょうこ◎2010年京都大学大学院医学研究科修了(博士〔医学〕)。山中伸弥(京都大学)、岡野栄之(慶應義塾大学)に師事。iPS細胞による脊髄損傷治療研究に貢献後、ハダカデバネズミ研究を主導。2児の母。

事業・活動内容|老化がほとんど進行せず、がんやアルツハイマー病などの様々な加齢性疾患にも高い耐性を示す、「健康長寿を実現する哺乳類・ハダカデバネズミ」。その特異な生物学的特性に着目し、日本で唯一かつ世界最大規模のハダカデバネズミ研究拠点を整備。iPS細胞研究で培った幹細胞生物学と比較生物学を融合し、老化・がん・加齢性疾患に対する耐性メカニズムの解明と、ヒトにおける健康長寿の実現につながる分子原理の理解を進めている。進化医学的視点から老化の本質をとらえ、ヒトの健康長寿実現に向けた科学的基盤の確立に貢献。 

小・中・高のAI倫理教育の実践提案 

今度珠美|メディア教育研究室代表理事、国際大学 GLOCOM客員研究員 

いまど・たまみ◎鳥取県教育委員会情報教育講師を経て一般社団法人メディア教育研究室代表理事、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)客員研究員を務める。1男2女の母。
いまど・たまみ◎鳥取県教育委員会情報教育講師を経て一般社団法人メディア教育研究室代表理事、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)客員研究員を務める。1男2女の母。

事業・活動内容|人権教育の視点からデジタル・シティズンシップ教育、メディアリテラシー教育を研究。年間150校超の学校を訪問し授業支援、研修、講演、相談対応を行う。さまざまな環境下の子どものメディア教育支援、8カ国語に対応した教育教材の開発、特別支援学校におけるメディア教育教材の開発など研究。近年は小学校、中学校、高等学校のAI倫理教育の構成要素、実践提案についても研究している。著書は『はじめてのAIとのつきあいかたワークブック』など多数。文部科学省中央教育審議会専門員(教育課部会情報・技術WG)を務める。 

AI芸術と新たな経済圏の可能性 

草野絵美|アーティスト、Fictionera 代表取締役 

くさの・えみ◎1990年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。Fictionera代表。AIと共創するアーティストとして活動し、国内外の美術館やアートフェアに参加。2025年WEFヤング・グローバル・リーダーズ。
くさの・えみ◎1990年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。Fictionera代表。AIと共創するアーティストとして活動し、国内外の美術館やアートフェアに参加。2025年WEFヤング・グローバル・リーダーズ。

事業・活動内容|AI(人工知能)などの新技術を「協働パートナー」とし、ノスタルジアや集合的記憶を主題に制作。M+美術館(香港)、金沢21世紀美術館、クリスティーズ、フリーズなど世界20カ国以上で発表し、生成AIアートをグローバルな美術文脈へ接続。また、黎明期よりデジタルアート市場の開拓を牽引した。AI芸術と新たな経済圏の可能性を探求した活動が評価され、2025年世界経済フォーラム「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出。生成AIをいち早くアート作品に取り込み、これまでにない世界観を生み出した。 

「Steve Jobs Archive Fellow」選出 

松本杏奈|Creative Technologist 

まつもと・あんな◎2003年、徳島県生まれ。2025年スタンフォード大学工学部デザイン専攻卒業後、全米で8人のSteve Jobs Archive Fellowに選出。技術研究の傍ら、新たな社会実装の切り口として作品制作に取り組む。
まつもと・あんな◎2003年、徳島県生まれ。2025年スタンフォード大学工学部デザイン専攻卒業後、全米で8人のSteve Jobs Archive Fellowに選出。技術研究の傍ら、新たな社会実装の切り口として作品制作に取り組む。

事業・活動内容|スタンフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校にて3Dプリンター等を用いたデジタルファブリケーション技術を研究。その知見を応用し、アクセシビリティ分野を軸に視覚や触覚など複数の感覚を横断する多感覚インタラクション作品を開発。サンフランシスコを拠点に多数の展示を通じ、技術の新たな社会実装を模索する。また、地方出身の理系女性としての歩みを著書『田舎からスタンフォード大学に合格した私が身につけた夢をつかむ力』(KADOKAWA刊)やメディアを通じて発信。技術と表現、社会実装の架け橋となる活動を展開している。 

女子中高生×「Women In Tech 30」 

世界最大級の女子中高生向けアプリ開発コンテスト「Technovation Girls」が2026年も開催される。同プログラムは、米NPO「Technovation」が主催する、アイデア・ピッチ(プレゼン)・技術力・起業家精神の4つを競い合うテクノロジー教育プログラムだ。米シリコンバレーで最終ピッチが開催される。日本では、NPO法人Waffleが公式アンバサダーを務め、独自の支援プログラムを展開。6カ月間、自ら設定した社会課題をテクノロジーで解決する方法について検討し、アプリと事業計画を作成して、米国で開催されるグローバルコンペティションに応募する形だ。2025年度は、世界117カ国から約3万3000人が参加し、日本では過去最多となる総勢440名が参加し、選抜された20チームが日本公式ピッチイベントに参加。結果、7チームが世界大会のセミファイナルに選ばれ、そのなかから1チームがファイナリストに選出された。 

2026年からForbes JAPANもメディアスポンサーを務め、今後、同プログラム参加者と「Women In Tech 30」受賞者との対談などの企画を行っていく。

text by Tomoyuki Yamamoto illustration by Chiara Ghigliazza

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