VC側も今後M&Aのナレッジが極めて重要になっていきます。投資もM&AのEXITを見据えて、欧米のようにVCがマジョリティを持つことも珍しくなくなるでしょう。その際、デットをうまく使う必要も出てきます。これらは全てM&Aの発想です。「IPOは詳しいですが、M&Aはよくわかりません」では通用しなくなってくるので、VCとして変化していかなければなりません。そういう意味でも私はミッド・スモールのM&Aに長けたPEと一緒にファンドをやってみようと思ったのです。
もう1つは、ディープテックを中心に、政府が決めた方針に沿ってやろうとしている大学や大企業発のスタートアップに対してシード期から投資すること。先ほどお話ししたように、資本効率の改善を考えていく必要があり、ディープテックでは大型補助金を取ることが重要なためです。また、投資家もスタートアップ経営陣もデットを積極的に使ってレバレッジをかけ、事業を成長させていくべきだというのが私の考えです。
──2026年に活躍を期待しているスタートアップは。
水本:一つは、物流向けの自動運転技術を開発しているロボトラックです。ナスダックに上場している、自動運転技術を手がけるTuSimpleからのスピンアウトで2024年に設立されました。TuSimpleは、ナスダック市場で一時2兆円の時価総額をつけるほどに成長した会社で、それだけの修練された技術や人材が最初からチームに在籍しているのが強みです。
2024年に創業した、宇宙用レーザー技術を開発するOrbital Lasersにも期待をしています。スカパーJSAT発のスタートアップですが、ユニークなのが、理化学研究所と共同研究した成果をもとにカーブアウトした点です。大手企業の信頼性と研究機関の技術を融合させることで、非常に早いスピードで成長しています。
こうした発射台の違うスタートアップが生まれてきているのを見ると、今後のディープテックスタートアップは、創業時点で勝敗がある意味決まってくるのではないかと思います。高市政権で明示されている重点投資対象領域に乗る事業を選び、いかに勝てる座組を先に組むかが重要になってくるでしょう。
Forbes JAPANは4月16日に、創業3年以内の起業家によるピッチイベント「Forbes JAPAN RISING STAR AWARD 2026」を開催する。本ピッチは「日本の起業家ランキング」への登竜門として、次世代を担う有力起業家を発掘・支援するプロジェクトで、3月12日までピッチ登壇希望者を募集している。エントリーは下記から。(※ピッチのエントリーには、コミュニティ加入が条件となります。)


