かつてポップ音楽制作における最強のコンビだったチャド・ヒューゴとファレル・ウィリアムス。その醜悪な音楽ビジネス上の「離婚」として始まった対立は、いまや実際に誰が音楽を創り、誰が複数の楽曲で功績を独占したのかをめぐる、奇妙な著作権紛争へと変質した。
ヒューゴは、100万ドル(約1億5700万円)のロイヤルティ紛争から、さらに大きな著作権をめぐる争いへと賭け金を引き上げた。グラミー賞受賞歴を持ち、いまは解散した「ヒット製造工場」ザ・ネプチューンズにおける元相棒に対し、法務チームが修正訴状を提出したためだ。
ヒューゴが、複数の楽曲で自分が「作り手」としてクレジットされていない点をめぐり、ウィリアムスに異議を唱えるのは今回が初めてだ。
3週間前に提出された当初の訴状は、ファレルがヒューゴにパートナーシップ収益として約100万ドルを支払わなかったとされる件のみに焦点を当てていたが、新たな訴状では8曲が名指しされている。ロザリアの2022年のアルバム収録曲『Motomami』と『La Combi Versace』、そして同じく2022年のラットの『Real One』などが含まれる。
紛らわしいことに、ヒューゴの新たな訴状で名指しされた楽曲の1つ、NIGOの2022年アルバムの『Lost and Found Freestyle 2019』は、Spotify上では全14人のソングライターの一人としてヒューゴの名前が記載されている。コラボレーターがバス1台分という規模だが、今日におけるトップポップの制作慣行では珍しくない。
いずれにせよ、米著作権法の3年の時効により、2022年にリリースされた楽曲についてはヒューゴの主張が遮断される可能性がある。この点については後述する。
ヒューゴの訴状は、ファレルとのプロデュースおよびソングライティングのパートナーシップにおいて、ヒューゴが「主たる作曲家、編曲家、マルチ奏者であり、プログラミング、編成そして全体のサウンドデザインを担うプロデューサーだった一方で、被告ウィリアムスはより頻繁に、デュオの“対外的な顔"として振る舞っていた」と主張している。
ファレル・ウィリアムスがどのような超人的能力を持っているにせよ──それが多く、かつ強力に見えるのは確かだが──音楽的能力はその一つではない、と示唆した人物として、ヒューゴが最初というわけではない。



