日本の大手メディアは政権に忖度していると感じる人が少なくない。あからさまな圧力がないまでも、批判を恐れて萎縮し、「報道の公平性」が意見を主張しない言い訳になっているようにも思える。国境なき記者団が毎年発表している『世界報道自由度ランキング』では、2025年の日本は66位。先進7カ国(G7)のなかでは最下位だ。
政府批判をするメディアもあるにはあるが、独善的だったり感情的だったり、支持派との対立を煽る形に陥りやすい。もっと落ち着いて、何が本当なのかを冷静に見極め、自分の頭で考えさせてくれる、偏りも煽りもないメディアはないものか。そこに発足したのが「KIZUKI Journal」(キズキジャーナル)だ。
KIZUKI Journalは、イベント企画会社やウェブ制作会社など、数々の事業を展開してきた上城孝嗣氏が発起人となり立ち上げられたウェブメディアだ。長年、コンテンツ制作者としてメディアと情報発信に携わってきたが、その間ずっと違和感が胸に引っかかっていたという。それは、「情報が増えているのに、私たちは以前より考えなくなっていないか?」というものだった。そこに正面から向き合おうと同氏は考えた。

現在のニュース系コンテンツは、刺激的な見出し、極端な二項対立、スポンサーや既得権益に配慮した論調により、本来は思考を深めるためのメディアが、いつの間にか「考えさせない装置」になったと上城氏は危惧する。そのなかで、真剣に世の中をよくしようと頑張る発信者たちが生活苦に追い込まれている。
そこで、「志があり、知見があり、勇気がある」ジャーナリストたちの生活を支えつつ活動できる仕組みとするべく、KIZUKI Journalが生み出された。そこでは、結論を押し付けない、単一の正解を提示しない、多角的な視点を丁寧に並べることで、読者が自分の頭で考える「余白」を残すという。
さらに同メディアには、情報によって「気づき」を与え、次に学びの場を提供し、レベルアップした人が気づきを与える立場になるという好循環を通じて、ひとりひとりが社会を変える力を持てるようになりたいとの理念がある。
ここが起点となって、志の高いジャーナリストの活動が活発化し、主義主張の違う人たちが冷静に温和に最適解を探れる場が広がることを期待したい。



